ITの危機と変化、そして今後の展望

新型コロナウイルス感染症の流行は現在も世界に大きな影響を与えており、今後の状況の予測が立てづらいことから、世界各国、そして企業は事業継続計画を実行するために力を尽くしています。今後世界全体が”新たな標準”に向かっていく中で、危機的状況への対応や変化への適応、そして手に入れることのできる機会を最大限活用していくことは、どの組織にとっても今まで以上に重要となります。

このたび、Computer Futuresはヘルスケア(製薬&医療機器)、小売業、製造業など各分野で活躍する企業のCIO(Chief Information Officer)をお招きし、Computer Futuresを展開するSThreeのAPACリージョナルディレクターであるティム・モランとComputer Futuresジャパンのセールスチームマネージャーである竹井浩司とともに初となるCIOラウンドテーブルを開催いたしました。

 

働き方改革とデジタルトランスフォーメーション

デジタルへの移行やリモートワークの導入が進んでいた企業でもそうではない企業でも、今回の新型コロナウイルスによって働き方に関して待ったなしの改革が求められる結果となりました。社内のITインフラを確立し、必要なツールを導入することで概ねスムーズに新しい働き方への対応が進んでいますが、社員全員が必要なツールを使いこなしているかという点についてはまだ課題が残る企業も多いようです。デジタル化のインフラやシステムだけでなく、それを使う側の社員へのトレーニングなどをどのように効率的に行っていくかが今後の鍵となるでしょう。以下では、各業界のCIOから得られた知見を簡潔にご紹介します。

 

  • ヘルスケア分野

製薬、バイオテクノロジー、医療機器分野では、従来の病院を回っての対面でのやり取りや営業活動から、オンラインでのやり取りへの移行が余儀なくされています。これらは以前から提唱されていたものの従来の対面での営業方式からなかなか抜け出すことができずにいた側面です。しかし、新型コロナウイルスの影響で事業継続をしていくためにはデジタルでのコミュニケーションが不可欠となり、デジタルへの移行の大きな後押しとなったと言うことができます。

  • 製造業

同様に、常に現場で生産を行ってきた製造業においても、現場で”三密”の状況を防ぎながら供給を続けるためにジレンマを抱えています。その結果、プロセスの自動化ができるかどうかが、製造業の今後の鍵を握ることになると考えられます。

  • 小売業

小売業界は今回最も大きな影響を受けた業界の一つであり、実際の店舗で働くスタッフ(社員の7~8割程度)はリモートワークができない状態にあるため、大きな課題に直面しています。オンラインストアでの販売は依然可能ですが、小売業は顧客と向き合うことがビジネスの核であり、依然として人を中心としたビジネスであることに変わりはありません。

  • リクルーティング

リクルーティングも同様に人を中心としたビジネスであり、信頼と関係を築くために対面での接触に大きく依存していていました。しかし、「SThreeはこの3ヶ月で大きな変化を遂げ、当初は3年ほどかけて行う計画であったラップトップの導入を3ヶ月で完了させました。」とモランは述べます。

また、以下のように続けます。「新たな技術やツールを導入することで、グローバルなチーム間でのコラボレーションが以前よりも格段にしやすくなりました。多文化的な視野や価値観を形成し、国を超えた連携を行っていくためも、業界や専門性、年齢にかかわらず、技術はすべての人に必要なものだと信じています」。

 

未来の展望: ITという分野やITの担う役割はどのように変わっていくのか?

 

  • 自動化・ロボティクスへの需要の高まり

生産性と効率を高めるために、様々な分野で自動化とロボティクスが進み、人員削減を目指しています。人工知能(AI)の導入に加え、ロボティクス処理の自動化(RPA)ソリューションも近年では価格面での導入ハードルが下がっており、これらをどう活用していけるかが今後の鍵となるでしょう。また、IT分野だけでなく、各部署にデータの読み取りや構造化クエリ言語(SQL)の知識を持つ人材を配置することがビジネスにとって大きな利益をもたらすと考えられます。

  • 技術インフラがビジネスの鍵に

自動化やロボティクスへの関心が高まるにつれ、企業は顧客との接点を保ち、データを取得するための強固なインフラストラクチャを構築することの重要性に気づくこととなります。また、データの管理や処理を行い、有意義な分析結果としてアウトプットするためのシステム、そしてそれを開発するための人材の育成が今後力を入れていく部分となり得ます。

  • 日本でもコントラクト採用の市場拡大に期待

日本では伝統的に短期の派遣やプロジェクトではなく、正社員を目指す傾向が見られます。しかし、AIやロボティクスを中心とする高い専門性が求められるハイテク領域が拡大するにつれて、正社員に比べてより高い柔軟性を持つコントラクト採用場の出現が期待されています。短期のテックプロジェクトがこれまで以上に増加し、製薬、ヘルスケア、製造業、テック企業などの大企業間のパートナーシップを確立するための中間地点としての役割をコントラクトの社員が役割を担うことが想定されます。

これらの傾向はすでに日本でも表れ始めており、技術は今後数年でさらにこの傾向が強まるきっかけになるかもしれないと竹井は付け加えています。

  • ITとビジネスの垣根がなくなっていく

これまでは社内のIT部門の主な利害関係者は社内の他部署であり、ビジネスを円滑に進めるための役割を担っていましたが、今後はデータを活用して意味を理解し、どのように成長するかの意思決定を行うためのビジネスパートナーとしての役割を担う機会が増え、社外の利害関係者とやり取りをする機会も増えることが予測されます。

一方で、CIOは、IT部門以外の部門との関係構築が鍵となることには変わりなく、技術的な専門用語を使うのではなく、ビジネスの言語を使って理解してもらう必要があります。また、企業はコミュニケーション能力に優れた人材を求める一方で、技術、コミュニケーションの双方に優れた人材を見つけるのは決して簡単なことではなく、その場合社員のスキルアップや育成にも力を入れる必要があるでしょう。

小売業は他の業界と比べてITの側面で後れを取っていることは否定できないものの、最終的にITは小売を含む様々な業界の収益生成プロセスの重要な部分となることが見込まれており、企業は変化に適応するためにオープンなマインドを保つ必要があります。

 

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