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DX, コミュニケーション, スキルアップ - Salesforceが今後担う役割とは?

Computer Futuresはこのたび、Salesforceの導入や運用における第一人者である3名のパネリストをお迎えし、オンラインでのディスカッションを開催いたしました。Computer FuturesはSFDCの公認コンサルティングパートナーとして、Salesforce領域のリクルーティングに特化したチームを持ち、日本におけるSalesforceコミュニティの活動やイベントにも積極的に参加しています。今回、デロイト トーマツコンサルティング合同会社 パートナーの大山泰誠様、株式会社サンブリッジ 取締役副社長兼最高技術責任者 (CTO) の山城勝様、フロッグウェル株式会社 CEOの大田宏之様の御三方から貴重なご意見の数々をお伺いする機会を設けることができたことを非常に光栄に思います。

以下では、セッションの録画と概要をご覧いただけます。

 

新型コロナウイルスによるプロジェクトへの影響

大田氏:4,5月はプロジェクトの受注が減ってしまったのですが、ヘルスケアに携わっているため、コロナウイルスの影響ということでいえば東京医師会からPCRセンターの依頼も受けました。6月に入ってからは今までにないペースで受注が増え、受注確率も非常に高くなっています。

ヘルスケア業界についていえば、長い目で見たら伸びのある市場だと信じていますので、一時的にコロナウイルスの影響を受けて営業活動が止まってしまっている中でも、今のうちにBIの導入などシステムの拡充を行っているという既存のお客様は多くいらっしゃいます。

 

山城氏:今回のコロナウイルスの感染拡大は、あらゆる面で本質を問う出来事になり、それが企業や個人の行動に表れていると感じています。この状況を先行きが不透明と捉える企業は新しいことはひとまず抑制しようと考える一方で、環境の変化をチャンスと捉える企業は新しいことにチャレンジしていて、どちらが良い、悪いということではないのですが、やはり立場が分かれているように思います。

Salesforceを導入しようと考える企業は、後者のようなチャレンジ精神旺盛な企業が多く、私たちのプロジェクトも多少の遅れはみられることもありますが、大半が止まることなく続いています。新規のお客様もここにきて増えてきています。

 

大山氏:コンサルティングビジネス全体で見ると、4、5月はまだ多くのお客様がどう対応してよいのかが見えておらず、プロジェクトがスローダウンしたり、止まってしまったりということもありました。グローバルのプロジェクト、特に製造業関連では出張ができないということもあり停滞も見られました。ただ7月以降は皆さんこの状況や働き方に慣れてきたのか、現状では昨年と同じくらいまでプロジェクトが増えてきています。

今回の影響を受けて、企業の投資に二つの種類が見られました。一つ目は、事業継続のためにITインフラや仕組みを変える必要に迫られて投資を行うパターンで、もう一つは、攻めの姿勢で新しい働き方にプロセスを変えていくための投資です。後者では、例えば非対面営業をどのようにプロセス化していくのか、コンタクトセンターを在宅で行うにはどうすればよいのか、販売チャネルをどのように組み合わせていくのが最適なのか、という面での相談が増えています。ただ実際にプロジェクトへの決済が下りるかというのはまた別の話なので、大きな投資やプロジェクトに関してはまだ控えめな企業が多いという印象です。

 

採用活動の変化

大田氏:募集企業が減ったせいもあるのか、当社への応募自体は増えているような印象があります。一方でSalesforceマーケットに関して言うとまだ売り手市場は続いていますね。

 

山城氏:以前よりも良い人材の応募が増えているように感じます。良い人材の定義は企業ごとに異なるかと思うのですが、私たちが求めるのは進化し続けるチームプレーヤーであり、チームの成果にこだわって環境の変化に応じて成長し、お客様のサクセスを喜びと感じる人です。先ほどお話ししたように、このような環境において考え方や立場が分かれる中で、現在の環境をチャレンジと捉えて新たな挑戦をしたいという人材が集まってきてくれていると感じます。

 

大山氏:今後の景気が読めない部分があるため積極的な採用は控えています。ただ、テクノロジーやSalesforce、顧客接点や顧客戦略などの案件が増えている中で、それらのスキルセットを持つ社員は決して多いわけではないので、社員がその分野へのキャリアシフトができるよう、社員の再育成やトレーニングを急ピッチで進めています。

 

Salesforceとの"馴れ初め"と現在注力する分野

大田氏:私は以前SAPでCRMの担当マネージャーを務めていたので、他のCRMツールの動向も把握しており、Salesforceについては2000年あたりから知っていました。Oracleの新しいアーキテクチャを使って、アプリケーションで、そしてクラウドベースでここまで作ることができるとは、すごい会社が出てきたなという印象でした。

その後実際にSalesforceを使い始めたのは医療機器の会社に入ってからでした。10年ほど前に今の会社を立ち上げた後も早い段階からSalesforceを使い始めていました。私たちは自分たち自身でお客様をサポートしたいと思っており、それを行う上でSalesforceは非常に強力なツールだと感じています。私たちの場合はヘルスケアという業界、またベンチャーという業態のお客様にフォーカスしながら、Salesforce をBIやマーケティングオートメーションのツールなどと組み合わせて、絶えず時代に合った形でお客様に選択肢を提供していきたいと思っています。

今後はヘルスケア部門の中でもIoTに特に力を入れていきたいと考えています。Salesforceはグローバルでの基盤がありますし、IoTのプラットフォームとして優秀です。IoT企業と手を組んで、Salesforce上にヘルスケアのプラットフォームを作っていくことを目標としています。また、現在日本では地域の中での医療連携もあまりうまくいっていない例が多くみられます。そのような分野にもSalesforceを進出させていきたいと思っています。

 

山城氏:私がSalesforceに関わるようになったきっかけは、当時の経営陣が従来のSIは変わっていくと予測していたこともあり、自ら社内でSalesforceのプロジェクトを始めたことです。これによってSalesforceの可能性や課題、必要なスキルを理解することができました。

プログラムを書くことなくお客様のやりたい業務を構築できるという点でSalesforceは画期的ですが、一方、システムでできることは決まっているため、業務をどのようにシステムに落とし込んでいくかが非常に重要です。これを行うためには、私たちがSalesforceの機能を全て理解している必要があります。

そのため、社員の知識やスキルを高める目的で資格取得報酬制度を作りました。結果として、現在では社員は平均で一人につき5つほどの資格を持っています。ポストコロナにおいてSalesforceの技術やスキルへの需要は高まっていくと考えられるので、それらのスキルを身につけると自分の市場価値も上がります。企業として、社員がスキルを高めることのできる環境づくりをしていきたいと考えています。

 

大山氏:私がSalesforceを知ったのは2010年くらいですので、お二方に比べると後発組です。最初は数あるパッケージソフトの一つという認識だったのですが、実際に詳しく知っていくと「こんなことまでできるのか」といった面白い発見が色々ありました。

当時日本にはパッケージソフトというものがそこまで根付いておらず、有効活用できていなかったと思います。一方デロイトに入社して海外のパッケージ導入事例を見ていると、海外ではインターフェイス以外のプログラミングはほとんど行わず、製品やサービスをそのまま導入するということが当たり前です。これが海外ではDXが進んでいるのに日本では進んでいない原因だと思っています。

例えると、日本企業のSIは粘土細工のようなもので、細部までこだわって設計して、使う人のことを考えて作り上げていきますが、海外だとレゴブロックのような感覚で、すでにあるパーツを買ってきて当てはめていくやり方です。

時代が変わっていく中で、古くなったパーツがあれば新しいブロックに付け替える方式が海外では当たり前になっている中、日本ではまだまだ粘土細工の風潮が残っていて、買ってきたブロックの上に粘土をかぶせて余計に使いづらくしてしまうような例も見られます。これが日本の業務改革や変化のスピードを確実に遅らせていると感じています。今後はパッケージやサービスをそのまま使うことを受け入れて、業務をそちらにあわせて素早く変革していくことを推進していきたいと思っています。

 

今後Salesforceがビジネスにおいて担う役割

大田氏:コロナ禍において働き方が大きく変わりましたが、実はアメリカなどではリモートワークは以前から普通に行われていましたよね。日本はこれまで独自の仕事のやり方を築いてきましたが、今回のことをきっかけに欧米寄りになったのではないかと感じています。

また、コロナ禍でも伸びた分野というのもあり、IT企業やリモートサービス、またEコマースに力を入れている企業は伸びているような印象を受けます。特にインサイドセールスを行っている会社は、以前は電話をかけても派遣社員につながっていたものが、直接部長レベルの個人と話ができるようになり、抜群に伸びたという話も聞きます。

今後増えていく案件としては、オンラインで顧客を取り込んでいくための施策が考えられます。Salesforceによるセールスのオートメーションに加えて、マーケティングオートメーションやSNSとの連携に関しては、大企業もベンチャー企業も含めて模索していく価値のある部分だと思います。

特に中小企業だとマーケティングや広報の担当もおらず、社長自らお客さんの声を聞いて考えることも多いですよね。また中小企業だと社長といっても30代や学生さんであることも増えてきていて、私たちとしても勉強させてもらうことが非常に多いです。企業と顧客間のキャッチボールのスピードがどんどん速くなっていく中で、その流れに乗るために力を入れている企業が多くみられます。

 

大山氏:大田さんのご意見が非常に面白いなと思いまして、今まで日本の製造業はB to B to Cといった構造で、メーカーが直接お客さんの顔を見られていませんでした。ただ、時代が変わってユーザーの反応や意見をオンラインで直接見られるようになってきたため、デジタルマーケティングに力を入れる企業も増えてきています。

 

山城氏:ポストコロナ時代にはDXの推進が不可欠で、その役割を担うのがSalesforceであり、Salesforce Customer 360というマルチクラウドだと考えています。当社のミッションは「テクノロジーで仕事のあり方を変える」ことなのですが、現在はそのテクノロジーとしてSalesforceを軸にDX推進を行っています。

現在社内でよく使われている言葉に「Whyを問う」というのがあり、DXと一言で言っても表面的な部分ではなく、本質的なところを理解して、なぜこれが必要なのかを常に考えていかないといけません。

 

大山氏:多くの人が在宅勤務になったことで、無駄な会議や業務、事務などが見えてきて、この顕在化してきた無駄をDXを通してどのように削ぎ落としていくかが今後の課題かと思います。Salesforceはグローバルで使われているスタンダードなプロセスが組み込まれた仕組みなので、そのまま有効活用することでDXを加速していく取り組みが今後増えていくと予想しています。

一方で、顔を合わせた雑談による情報収集や無意識のうちに刺激を受けていた対面での機会が失われてしまっていることも事実です。今後、例えば今回のようなウェビナーや顧客に向けた情報提供などのコミュニケーションを絶やさず行っていく際にも、Salesforceはマーケティングオートメーションなど役立つ機能がたくさんあるので、大きな強みだと思います。

 

今後求められる人材像やスキルセット

大田氏:企業と顧客との関係もそうですが、非対面のやり取りが増えていく中で、社員の教育をオンラインでどのように行うか?というのも一つの大きな課題です。今までは、「企業が人を育てる」という認識を持っていましたが、最近は「育つ人を採用する」という考えに変わってきています。企業としては育つためのプラットフォームは用意して、ガイドももちろん行いますが、会社が育てるのではなく自ら育つことのできる人材を採用したいですね。

 

大山氏:私たちの会社に応募してくれる人を見ていても、これだけ情報が多く手に入る時代だと、大学の勉強関係なく自分でやりたいことがあって、自己成長できる人材は若い人の間で増えているように感じます。

 

大田氏:極端な話をすると、4月に入社した新入社員は初日から自宅勤務というケースもありましたが、そのような状況でもできる人はできるんですよね。わからないことがあれば自ら誰かに連絡を取ってやり方を学んでどうにかする力を持っています。少しドライな見方になってしまいますが、在宅勤務を通してこの人はできるのかそうではないのかという判断が以前よりも早くできるようになりました。やはり自発性を持って自分から行動を起こせる人材が望まれますね。

 

山城氏:今後必要とされるスキルとしては、製品やサービスを理解することことに加え、どのように顧客のビジネスを加速して業務効率を上げるか、またはシステムと業務のギャップをどのように埋めるか、といったようなコンサルティングに近いスキルが求められると思います。

また、業務の効率化には今後マルチクラウドが欠かせないものとなっていくと予想しており、マルチクラウドを扱えるスキルが必要となります。しかし、いくつものクラウドを個人ですべてカバーすることはあまり現実的ではなく、チームワークが必要となります。今後はさらに、各個人がそれぞれどの領域を担当するかを考えて行動し、チーム全体で成果を上げられるような力が求められると思っています。

個人としては今後どのような役割を担っていきたいのかを考えて、前と違うスキルを身につけることも大切だと思います。例えばマーケティングオートメーションをやってきた人がCRM側にスキルを広げたり、CRMに主に携わってきた人がEコマースの知識を身に着けたりと、可能性はたくさんあります。

 

大山氏:今後求められるスキルは、「妄想力」ですかね。どのような世界観を持ってビジネスを進めていくかを、いかに妄想できるかが大切になると思います。自発性と妄想は紙一重な部分があり、自分で想像して仮説を立て、これやったらうまくいきそうだということを考えられる人が今後伸びていく人材だと思っています。

 

大田氏:先ほど大山さんが業務の無駄の削ぎ落としのお話をされていましたが、これは人に関しても言えることだと思います。私たちの年代だと、在宅勤務になってから仕事でなかなかアウトプットを出せていない人というも多くいます。一方で現在転職活動をされているような20代や30代の方々にとっては、以前よりも実力主義の社会になり、やりやすくなっていく部分も大きいのかもしれません。そのような環境で実力をつけた人材が育っていけば、日本企業も世界と戦える力がついてくるのではと期待しています。

 

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