ポストコロナ時代における組織運営の”新たな標準”とは?

新型コロナウイルスの影響によって多くの企業が前例のない課題に直面しており、各企業は新しい働き方へと適応するためにそれぞれが最善を尽くしています。どの組織もビジネスへの影響を最小限に抑えようと努力している一方で、今回のパンデミックが多くの企業の現在、そして将来の組織運営に関する戦略に影響を与えたことは間違いありません。

全国的に緊急事態事態が解除された今、組織にとっては一つの大きな岐路となり得ます。今後、以前と同じ形で全員がオフィスに出社することを前提とした働き方を続けていくのでしょうか?それとも、より柔軟性の高い、新たな働き方を新標準として採用していくのでしょうか?

 

新たな標準ーポストコロナにおける組織マネジメントの変化

2020527日に開催されたウェビナーでは、Talendのカントリーマネージャーである角田賢治様、TECANのディレクター APAC HRである村上明子様、日本マイクロソフトHRマネージャーである市坂昌平様の御三方をお招きし、それぞれの企業が考えるアフターコロナ時代の人材戦略について考えを語っていただきました(各パネリストのプロフィールはこちらからご覧ください)。

以下は、ウェビナーで話し合われたポイントの一部をまとめたものです。ウェビナーの録画はこちらからもご覧いただけます。

 

*ディスカッションは英語で行われました。

 

新型コロナウイルスの流行によって発生した状況に対応するために、組織内でどのような変化がありましたか?また、予期せぬ課題はありましたか?

角田氏は、Talendのようなテック企業にとって最大の課題の1つは、新しい売上の見込みが立たないことだと話します。在宅勤務を行う顧客が増えたことで、電話での連絡が以前よりも取りづらくなったことも大きな原因だと言います。もう一つの予期せぬ課題は、顧客が技術革新のための予算を削減した結果、新たなソフトウェアの導入が困難になっている点だと指摘します。

また、村上氏は、新しいマインドセットを受け入れることが課題であると述べています。今回のような不測の事態が起きたとき、人は「革新モード」ではなく「サバイバルモード」になる傾向があり、「これまでと同じやり方を続けていくにはどうすればよいか」というところに焦点を当ててしまいがちです。しかし、村上氏は、以前のやり方を続けることではなく、「日々の業務を生産性に進めていくためには何を変えればよいのか」に注目すべきだと強調します。

物事に対する人間の自然な反応にはReact(反応)、Respond(応対)、Reconnect(再接続)、Reimagine(再想像)の4つのフェーズがあり、村上氏はそれぞれの例を紹介していました。結局のところ企業の目標は今後も持続可能で成長を続けることのできる方法を見つけ出すことであり、中でそれぞれの例を共有していた今までのやり方を少なからず変えていく必要があると村上氏は続けます。一方、今回の経験によって社員は多様なワークスタイルを受け入れることに寛大になっており、今までよりもそれぞれの社員の家庭の事情が見えてきたという側面もあります。このようにプライベートな部分を多少なりともさらけ出す必要が出てきたことで、マネジメントや社員の結束を高めるという点でうまく働いていると考察します。リーダーは社員の身体的な健康だけでなく、精神的な健康についても今までよりも気にかけるようになったと今回の経験から得られた良い側面を紹介し、今後もそうあるべきだと話します。

マイクロソフト社は2015年からリモートワークを推進しており、システムの点ではリモートワークへの移行はほとんど問題が見られなかったと市坂氏は話します。村上氏と同じく、今回の状況でより変化が見られたのは、システムよりも社員、特にマネージャーのマインドセットだとし、個人の考え方によっても適応の度合いが異なるためHRからもサポートを提供したと話します。新入社員のオンボーディングについては、エンゲージメントを以前と同じレベルの保つのは難しいとした上で、新入社員を始めとする全ての社員がリモートワークに必要なツールを今までにない速さで習得しているなど、様々な変化が見られるようです。

 

日本政府が過去数年で進めてきた働き方改革が、リモートワークを推進する上での後押しとなったと感じますか?また、今後リモートワークとリモートでのオンボーディング(入社手続き)のアプローチを採用するのでしょうか、あるいは継続するのでしょうか?

多くの企業が東京オリンピックに向けて、リモートワークや柔軟性の高い働き方を推進してきたことは、今回のコロナウイルスのケースで功を奏したと言うことができます。村上氏は、自身が2人の子供を持つワーキングマザーであることから、柔軟な働き方によって仕事と家庭の責任を両立させる機会を得ていると指摘し、すべての人がこのような柔軟性を享受できるようにしたいと考えていると述べます。

日本は特に女性の労働力の面で欧米諸国に比べてまだまだ改善の余地があります。私がそうであるように、望むすべての人が柔軟性の高い働き方によって利益を得られ、またそのおかげで会社にも価値をもたらすことができるよう、新たな扉を開きたいと思っています。日本が変化を推進すに適応するには今が絶好のチャンスです。と村上氏は話します。

角田氏は自社での採用に新型コロナウイルスの影響はほとんどないと語ります。実際に一度も顔を合わせることなくリモートで採用し、オンボーディングを行った社員がいると話し、今後はそれが新たな標準になっていくべきであり、そうでないと世界の潮流に乗り遅れて優秀な人材を取り逃がしてしまうと強調しました。

市坂氏は、大きな組織の中で多様性とインクルージョンを推進していくためには、ワーキングペアレンツに限らず全ての社員に柔軟なワークスタイルを提供することに前向きになる必要があると話します。リモートワークについては社内で問題なく進められているものの、採用に関しては対面の面接なしでは採用するかどうかを決めかねるマネージャーも少なからずおり、非常に興味深いとの指摘もしています。

 

新しい働き方は、従業員にとってより自由なものになるのでしょうか、それともマイクロマネジメントにつながるのでしょうか?

リモートワークが進み部下のやっていることが見えない場合、今までよりも細かいマネジメントを行う組織も出てくることが想定されます。この点について、パネリストは以下のように見解を述べています。

村上氏は、マイクロマネジメントはスタッフの生産性を制限するものであり、より自律性を与えるべきだという立場を取っています。目指すべきはセルフスターターのコミュニティでり、各個人が自分自身で意思決定をする必要があると述べた上で、その自由や自律性を実現するためには大きな責任が伴い、お互いへの信頼がその基盤として不可欠であると指摘します。

また、角田氏は、マイクロマネジメントというとネガティブなイメージがある一方で、営業社員が効率的に仕事をするためには有効なプロセスだと述べています。特に営業成績のトラッキングや予測に関しては詳細な情報が必要であり、詳細な情報共有が今後のビジネスの指針を与えてくれると語ります。

市坂氏は双方のポイントに共感しつつ、マイクロソフトはヒエラルキーと自律性の両方を尊重しており、チームの中でどのような管理や評価をしているのか、例えばパフォーマンスベースなのか、結果ベースなのかによっても変わってくると結論づけました。

新たな標準を採択する社会においては、変化に適応できない人はキャリアアップが困難になると同時に、従来の文化や慣習にこだわる組織は成長が難しく、組織は各社員個人としての成長にも目を向ける必要があるでしょう。

 

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皆様の組織では、どのような職場復帰計画を立てていますか?今後、伝統的な企業文化や価値観が薄れていく可能性も大いに考えられ、多くの企業にとって一つの転換点となるのではないでしょうか。SThreeTECANTalendMicrosoftの具体的な施策についてはセッションの録画をご覧ください。

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