
人工知能(AI)は、テクノロジー分野における単なる流行語ではありません。AIはさまざまな職業や仕事にどのような影響を与えるのか、人間の仕事の一部を取って代わるのか、またその将来性についてなど、さまざまな議論がなされてきました。
一方、AIがもたらす利益については疑いの余地はありません。AIを活用することである分野では人的なミスを減らすことができますし、その分、人の介入が必要なその他のタスクに人的リソースを割くことができるようになり、全体的な生産性を向上させることができるのです。特に少子高齢化による労働力不足が深刻な日本では、限られた人的リソースを効率よく活用していくことが企業や産業のさらなる成長にとって欠かせない要素となるでしょう。
世界経済フォーラムの「The Future of Jobs Report 2020」によると、AIは2025年までに世界で8500万人分の仕事を取って代わると予想される一方、その発展によりって9700万人分の新たな仕事や雇用が創出されるとされています。今後もさらなる成長が見込まれるAI分野で活用できるスキルはますます高い需要が見込まれるため、キャリア構築においても注目の高まるスキル・領域です。
このたび、当社の重要なパートナーであり、AIチャットボットサービスを開発・提供する革新的なスタートアップ企業であるZealsに、AI分野における最新の人材動向についてお話を伺いました。また、今後求められるスキルや役割、急成長するAI分野でのキャリアに興味のあるプロフェッショナルの皆様にZealsが提供できることについてもご紹介します。
日本でAIの活用はどの程度進んでいる?
PwCが発表したレポート「AI predictions 2022」によると、調査に参加した企業の53%が、何らかの形でAIベースのソリューションを導入し、活用していると回答しています。これは、2020年の27%、2021年の43%という前年の結果と比べて大きな飛躍です。
また、AIベースのソリューションを活用した企業は、将来の収益の増加をポジティブに予測する傾向が強く、AIソリューションを導入している企業の55%がポジティブ名予測をしているのに対し、導入していない企業では27%という興味深い分析結果も見られます。この結果は、生産性を高めてビジネスの成長を後押しし、さらに収益を上げるための重要なテクノロジーとしてAIを活用する企業が増えていることを示唆しています。
日本のAI産業における人材動向
ZealsのTalent Acquisition LeadであるCalvin Calebは、「AIは究極のバズワードであり、人々の好奇心や想像力を掻き立てるだけではなく、大きな期待を背負っています」と話しています。
その魅力と将来性によって多くの人を惹きつける業界となっており、求職者のAI業界に対する意識が高まっています。Calvinは「最近話をした求職者の方のほぼ全員が、直接的であれ間接的であれ、何らかの形でAIに関連した分野で働きたいという明確な興味を示してくれています」と話します。
しかし、IT分野の他の業種と違わず、AI分野においても高いスキルや専門性を持つ人材のプールが限られているため、人材獲得における競争は激化しています。Calvinは「大企業や有名企業は通常、高い給料やより良い福利厚生パッケージ、またそのブランド名や知名度で求職者を惹きつける力があり、人材獲得において有利な立場にあります。また、AI開発において分析の元となるデータ量においても、大企業はより多くのデータにアクセスできることが多く、その点でも大手企業が有利であるということができます。しかし、比較的規模の小さなスタートアップ企業にも、自分の作業が直接成果につながる実感や、複数のプロジェクトに携わる機会など、スタートアップならではの良い点があるため、最終的には求職者として求めるものや向き不向きといった相性の問題も大きいと感じています。」
「どの企業にも共通して言えることは、AIを最大限に活用するためには、それを可能にする適切な人材を確保する必要があるということです。AIがまだ比較的新しいテクノロジーであることも、経験やスキルを持った人材が少ないことの一つの要因です」と話します。
ZealsやAI市場一般において、特に需要の高まっている職種はありますか?
「どのようにビジネスを加速させていくのか、企業ごとに優先順位は異なります。Zealsの場合、今年の主な焦点はよりスケーラブルなシステムを構築することです。これらを実現するために、バックエンドエンジニア、SRE(Site Reliability Engineer)、そしてGolangエンジニアが現在の当社の採用の大きな軸となっています。Goは比較的新しい言語であるため、Golangエンジニアの人材プールはまだ非常に限られています。また、よりデータドリブンなシステムやサービスを築くために、UXリサーチャーやデータエンジニアなど、いくつかの重要な職種の採用も検討しています」とCalvinは話します。
また、CalvinはAI業界全般で共通の課題としてSREの採用を挙げています。SRE は新機能のリリースとユーザーに対するサービスの信頼性の確保とのバランスを取るために重要な役割を担う職種です。彼はAIの状況について、「優れたDevOps文化を構築し、トラフィックに関係なくシステムやソフトウェア全体の信頼性を確保することの重要性に気づき始めている企業が増えている」と述べています。私たちは、Infrastructure as a Code、クラウドインフラ、自動化について深い理解がある人を求めていますが、AI分野の他の多くの企業も同じです。市場にいるSREの候補者と、その候補者を求めている企業の比率で言うと、SRE1人に対して少なくとも4~5社が採用を検討しているような状況です」。
Zealsでのキャリアは求職者にとってどのような魅力があるのでしょうか?
Calvinは「我々は収益性の高いビジネスであり、我々のプロダクトはR&D段階にあるものだけではありません」と語ります。「私たちはすでに大きな顧客プールや多くのユースケースを持っていることに加え、私たちは成長を続けています。私たちの利益や資本はAI関連プロジェクトの改善やユーザーにとってより使い勝手の良いプロダクトを提供するために使われます」と述べています。
「ここZealsでは、誰もが本当に重要な存在です。会社として、私たちはとてもオープンで柔軟です。また、現在のメンバーのほとんどは、さまざまな業界から集まっています。研究開発チーム以外のメンバーにはAI関連のバックグラウンドを持っていない人もいますが、会社や製品に対する興味や情熱があればトランスファーラブルスキルを基に当社がスキルアップのサポートもできます。
コーディングの天才(CTOは23歳になったばかりです)や、日本語がほとんど話せない社員、様々なメンバーがいますが、全員がZealsでインパクトを与えることができます。このようなオープンな文化があるからこそ、300人(現在も継続中)を魅了し、私たちの仲間になることができたのです」とCalvinは話します。
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Computer Futuresは日々変化する日本のIT・テクノロジー分野における専門知識と経験を活かし、革新的な企業と、需要の高いITスペシャリストを結びつけています。日本国内で優秀な人材をお探しの方も、次のキャリアに挑戦したい方も、AIとロボティクス業界をカバーする当社の専門チームがサポート致します。また、Zealsの採用パートナーとして、Zealの求人情報もご紹介しています。AI分野やZealsでのキャリアについてもう少し話を聞いてみたいという方は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。