ブロックチェーン 開発

安全性が高く、固定資産やデジタル資産の売買や金融システムのトランザクション保証や台帳管理など、様々なシーンやサービスで活用の幅が広がっているブロックチェーン。Web3.0の象徴として今後もますます成長が期待できる分野であり、その専門的な知識やスキルを持つ人材へのニーズも増えています。

このようなトレンドを受け、ブロックチェーン開発のスキルを身に着けて市仕事に活かしたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、ブロックチェーンを開発するために必要な開発言語やフレームワーク、独学のコツについて詳しく解説します。

 

目次

  1. ブロックチェーンの仕組みとは
  2. ブロックチェーンの開発方法
    1. ブロックチェーン開発における開発言語
    2. ブロックチェーン開発のフレームワーク
    3. ブロックチェーンアプリ開発におけるBaaS(バース)
    4. ブロックチェーンアプリ開発におけるアプリケーションフレームワーク
  3. ブロックチェーンを独学で学び、転職するためのコツ

ブロックチェーンの仕組みとは

ブロックチェーンとはオンライン上にある端末同士を接続して、暗号技術を使用して取引履歴を分野的に処理・記録するデータベースの一種です。ブロックチェーン上で管理されているデータは「ブロック」と呼ばれ、このブロックが繋がっていることからブロックチェーンと呼ばれています。ブロックチェーンの主な特徴としては以下が挙げられます。

  • 自律分散システム
  • 改ざんが非常に困難
  • 取引履歴を消すことが不可能
  • システムダウンがない

このブロックチェーン開発の流れとしては、基本的に以下のようになります。

 

  • ブロックの中身を定義‐「インデックス」「タイムスタンプ」「ハッシュ値」「前のブロックのハッシュ値」「取引データ」などを一つのブロックに含めます。
  • ハッシュ値の生成方法を決める-ブロックチェーンを実装する場合、ハッシュ値(データを通信するために取引データを英数字の羅列に暗号化したもの)が必要不可欠になります。ハッシュを作る技術は多々ありますが、SHA-256が最も有名なハッシュ関数となっています。
  • ブロックを作成する-事前に定義したブロックの中身に沿って、プログラミングを開始します。

といった手順となります。以下、実際にプログラミングを開始する際に必要となるプログラミング言語やおすすめのプラットフォームやフレームワークについて詳しく解説していきます。

ブロックチェーンの開発方法

ブロックチェーンを開発する際には、大きく分けて以下の四つの分野の知識とスキルが必要となります。

      1. 開発言語
      2. フレームワーク
      3. BaaS(アプリケーション開発の場合)
      4. アプリケーション用フレームワーク(アプリケーション開発の場合)

 

以下、それぞれ詳しく見ていきます。

1.ブロックチェーン開発における開発言語

ブロックチェーンの開発言語は、用途に応じてそれぞれ用いるべきプログラミング言語が異なります。以下、用途別におすすめの開発言語を解説していきます。

 

Python

Pythonは初心者でも理解しやすいつくりとなっているため、プログラミング初心者の場合、まずはPythonでブロックチェーンの仕組みや動作を学んでみることをおすすめします。以下の記事では、Pythonを無料で学ぶことのできるウェブサイトを紹介しています。

 

Python

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Pythonを使用してブロックチェーンの基本を理解した後、用途別に最適なプログラミング言語を用いて実務で利用できるように学習を進めると良いでしょう。

C言語(ブロックチェーン自体の開発)

ブロックチェーン自体を開発するためには、C++やC、C#を使用する必要があります。特にC++はビットコインの開発にも使用されており、仮想通貨関連のシステムとして標準的に使用されています。また、C#というプログラミング言語も仮想通貨取引所のシステムを運営する上で必須となるため、仮想通貨取引所での開発案件における求人で必須要件となる場合があります。

JavaScript(Webページにブロックチェーンを実装する場合)

JavaScriptは、他のプログラミング言語と比べても非常に汎用性が高く、スマートフォンのアプリ開発ではiOSとAndroidのどちらにも対応可能であり、デスクトップ用アプリの開発にも頻繁に使用されています。

JavaScriptは、ブロックチェーンの開発の場合、Webページ上にブロックチェーンを実装する際に使用されますが、JavaScript上にはブロックチェーン向けのライブラリやサンプルコードが多数存在しているため、簡単に実装することができます。また、ブロックチェーンを利用した仮想通貨取引所の中にも、JavaScriptのライブラリやAPIが適用されているものがあるため、仮想通貨取引のツールを開発するためにも利用されることが多い言語です。

Go言語(イーサリアムのシステム開発)

Go言語(Golang)はGoogleによって開発された比較的新しいプログラミング言語で、シンプルな文法や高速なコンパイル、並行処理に対応しているという特徴から、イーサリアム(Ethereum)を扱う多くの企業や開発者から支持されています。

イーサリアムのクライアントソフトであるGo Ethereumを利用したい人向けにIBMが開発したHyperledger Fabricに共通したシステムを構築する場合、Go言語からJavaをインプットするといったメソッドが使われることが多くあります。Go言語はイーサリアムの様々な操作を可能とし、スマートコントラクトや資金移動、CPUによるマイニングなどの機能を搭載できるため、暗号資産やDaaps(分散型アプリケーション)などのブロックチェーンの構築に最適なプログラミング言語です。

Solidity(スマートコントラクトのシステム開発)

Solidityはイーサリアムブロックチェーンやイーサリアムを使用したDaapsを開発するために作り出されたプログラミング言語です。ブロックチェーン上で契約を自動化するためのスマートコントラクトを開発する際や、スマートコントラクトのための様々な機能を搭載するために、Solidityを使用する必要があります。例えば、DAO(分散型自律組織)やDefi(分散型金融)、DEX(分散型取引所)、そしてNFTなどの様々なサービスやコンテンツの作成が可能となります。

また、SolidityはC++やJavaScriptを参考に作られたオブジェクト指向の言語となるため、これらの言語についての知識がある人にとっては比較的安易に習得が可能なプログラミング言語となっています。

2.ブロックチェーン開発のフレームワーク

ブロックチェーンを独学で学ぶためにフレームワークを選ぶ際には、まず以下のポイントをチェックしましょう。

  • 目的に合致しているか
  • サポートが充実しているか
  • ライセンスが使いやすいか
  • アップデートが積極的になされているか
  • コミュニティの知名度や信頼性が高いか

この他にも、フレームワークのパーミッションタイプや秘匿性の高さ、トランザクション速度などを事前に確認しておく必要があります。

以下、おすすめのブロックチェーン開発用フレームワークを3つご紹介します。

 

  • Enterprise Ethereum - パーミッション型で秘匿性が高く、低コスト。製造業におけるトレーサビリティや国際貿易のプロセスのデジタル化などで活用されている。

 

  • Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)IBMとデジタルアセットホールディングスが共同で開発したフレームワークで、The Linux FoundationがHyperledgerプロジェクトとして公開したもの。製造業におけるサプライチェーン管理ソリューション、医療データの共有と管理、貿易金融プラットフォームや不動産や保険の契約、身元確認システムなどの様々なアプリケーションを開発する際に使用されている。

 

  • Corda(コルダ)-主に金融機関で利用することを目的に開発されたオープンソースのフレームワークで、取引を行っている本人以外に取引の存在事態認識できない秘匿性の高さと処理スピードの速さが特徴。R3コンソーシアム(みずほフィナンシャルグループ三菱UFJファイナンス・グループなどの300以上の企業や公的機関が参加する組織)によって運用されている。



3.ブロックチェーンアプリ開発におけるBaaS(バース)

BaaSとは「Blockchain as a Service」の略称で、クラウドコンピューティングで提供されるブロックチェーンサービスです。BaaS代表的なBaaSの例としてはAWS(Amazon Web Service)Microsoft Azureなどが挙げられます。

4.ブロックチェーンアプリ開発におけるアプリケーションフレームワーク

また、アプリケーション開発の場合、専用のフレームワークを使いこなせるようになる必要があります。代表的なアプリケーション用フレームワークとしては、以下が挙げられます。

 

Webアプリ用フレームワーク

 

スマートフォンアプリ用フレームワーク

 



ブロックチェーンを独学で学び、転職するためのコツ

ブロックチェーンは比較的新しい分野であるため、ブロックチェーンを用いた実務の経験がなくとも、独学でスキルアップしブロックチェーンを扱うエンジニアへの転職を目指すことも可能です。特に勉強を始めて間もない時期は本やオンライン学習教材によるインプットに重きを置き学習を進めていくことをおすすめします。ブロックチェーンに関する基本的な知識(ブロックチェーンの構造や技術のメリット・デメリットなど)や暗号技術に関する知識(公開鍵暗号方式やハッシュ関数、電子書籍に関する分野など)は、A・アントノプロス著の「Mastering Bitcoin(原題)」(邦題:ビットコインとブロックチェーン)や、加嵜長門著の「ブロックチェーンアプリケーション開発の教科書」などに詳しくまとめられています。オンライン学習教材としては、PoLCryptoZombiesAidemyがおすすめの教材例として挙げられます。

また、余裕がある方は、基礎的な英語の読解能力を上げるようにしましょう。というのも、ブロックチェーン技術は海外の方が日本よりも進んでいるため、新たな技術や開発に関する情報を収集する際に英語を使用する機会が出てきます。専門用語に慣れるためにも、ブロックチェーンやIT関連の本も読んでみるようにしましょう。

以下の記事では、ブロックチェーンエンジニアという職種に関する基礎知識とブロックチェーンを独学で学びエンジニアを目指すためのステップについて、より詳しくご紹介しています。

 

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独学でブロックチェーンエンジニアになるためには?基礎知識や必要言語まで徹底解説

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ブロックチェーン開発|まとめ

仮想通貨をはじめとするフィンテック業界以外でもブロックチェーン活用への期待が高まっており、それに伴う専門的な知識とスキルを持ち合わせた人材への需要も増大しています。ブロックチェーンエンジニアは、専門的な知識・スキルが求められる職種ではありますが、未経験でも独学により転職することが可能な職種です。将来的にブロックチェーンエンジニアとして働くことを検討されている方は、まずご自身でスキルアップを目指しつつ転職エージェントへご登録してみることをおすすめします。業界やポジションについての最新情報を入手することが可能となります。

Computer Futuresでは、皆様のご要望に合わせて転職先のご紹介やキャリアパスについてのアドバイスなど、皆様の転職活動のサポートをいたします。ブロックチェーン関連のスキルや経験を活かした転職をお考えの方は、以下のフォームよりお気軽にご相談くださいませ。また、当社ではウェブサイトに載っていない非公開求人案件も多数取り扱っております。是非こちらも、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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