
近年では、大企業や歴史の長い企業でなく、スタートアップやベンチャー企業へ就職し、革新的な事業に関わりたいと考える人も増えています。新しいビジネスにチャレンジする面白さや、年齢や経験に関係なく能力とアイデアで勝負できることがスタートアップの魅力です。
一方で、大手企業からスタートアップへの転職を考えているものの、「収入」「会社や仕事の安定性」「業務量」「研修制度」などの面で実際に転職することを躊躇しているという方も少なくありません。今回は、これらの面を考慮しつつ、やはりスタートアップがオススメの転職先である理由について解説します。
ベンチャー企業とスタートアップの違いや転職のコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。

ベンチャーへの転職!スタートアップとの違いや転職のコツとは?
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スタートアップに転職する魅力・理由
スタートアップに転職する魅力として、一般的には以下の点が挙げられます。
- 幅広い仕事を経験でき成長に繋がる
- 経営陣との距離が近い
- 世の中に新しい価値観を発信することができる
- 成果次第で早期昇格や昇給を狙うことができる
- 同じような志向の人と働くことができる
- 担当できる仕事の範囲が広く、やりがいを感じられる
- ストック・オプションを与えられる可能性がある

スタートアップ転職で後悔しないための注意点とスタートアップのメリット
記事を読むスタートアップでは、基本的に一人ひとりの担当する範囲が広く、その分やりがいを感じられるだけでなく、早いペースでのキャリアアップが可能となります。また、経営陣との距離が近い、向上心の高い人と関わる機会が多いなどの理由で、将来的に起業を考えている方にとっても、学ぶことの多い最適な環境であると言えます。
これらの特徴を踏まえて、スタートアップに向いている人の特徴としては、以下が挙げられます。
- 成長意欲が高い人
- ビジネスや経営について学びたい人
- 変化に柔軟に対応できる人
- 実現したいビジネスモデルがある人
- 能動的に動くことができ、自分の考えをしっかり発言できる人
スタートアップに転職する懸念点VS現実
以上のように、スタートアップには大手IT企業にはない多くの魅力がありますが、一方で、しばしば「収入」「会社や仕事の安定性」「業務量」「研修制度」の面から、スタートアップへの転職を躊躇する方も多く見られます。実際のところはどうなのでしょうか?
以下、それぞれの懸念点について、詳しく見ていきましょう。
収入
まず多くの方が挙げる懸念点として、収入の減少が挙げられます。確かにスタートアップへの転職により収入が下がるケースもありますが、スタートアップ・ベンチャー企業に勤務している20代~40代の男女200人を対象としたプロトスターの調査によると、スタートアップ・ベンチャー企業に転職した後に年収が下がった人は全体の約22%という結果となりました。大企業からの転職の場合においても、前職と同じまたは上がったと回答した人は60%以上になっています。また、日本経済新聞の調査によると、2021年度のスタートアップ企業の平均年収は前年比約7%増の650万円であったという結果が出ており、上場企業の平均年収の605万円を上回る水準となっています。近年はスタートアップへの資金調達の環境も整ってきたことで年収相場も年々増加の傾向にあり、スキルと経験を持ち合わせていれば収入を上げることも十分見込めます。特にIT業界、インターネット広告、医療系(医療系ITを含む)においては、スタートアップの中でも年収水準の高い企業が多い傾向にあります。
また、特に企業規模が大きいスタートアップやメガベンチャーでは、20代や30代の早い段階での昇進が叶いやすい環境にあるため、管理職クラスになることで更なる年収アップを叶えることが可能です。更に、ストック・オプション制度を取り入れている企業では、将来的に更なるリターンを得られる可能性もあります。
会社や仕事の安定性
スタートアップは、商品や売上だけでなく事業活動を支える組織や制度、ノウハウも作りあげている段階であるため、大企業に比べ安定性に欠けるというデメリットがあります。また、少人数で仕事を回しているため、個人の頑張りがそのまま業績に影響します。ただ、言い換えれば、前述の通り一人の担当する業務範囲が広くやりがいを感じられるだけでなく、新たな事業を作る能力や経営の知識を得ることができるという大きな魅力があります。
ご自身の転職の目的や目標、ライフステージに合わせ、どの程度の規模の企業に転職するか、一度転職前に考えてみることをおすすめします。
以下の記事では、性格別に大手企業とスタートアップのどちらを選ぶべきかを解説しています。是非皆様にとってどちらのタイプの組織が向いているか判断するための材料にしてみてください。

大手 vs スタートアップ、自分に合った転職先はどっち?
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業務量
前述の通り、スタートアップは人数が少ないため、基本的に一人に与えられる仕事量が多い傾向にあり、多くの場合、肩書とは関係なく幅広くタスクを担当する必要があります。そのため、お子さんがいる方や、ワークライフバランスが良い会社で働きたいという人にとっては転職先として選ばれにくいと言えます。しかし、経済産業省の調査によると、スタートアップに転職したことで、より自由な働き方を手に入れることができ、プライベートの時間が増えたと回答した人も多く、実際に子育てとスタートアップでの業務を両立している方も見られます。
スタートアップでの業務の多さやワークライフバランスの取りやすさについて不安を持つ方は、転職エージェントに相談してみることもおすすめです。Computer Futuresでは、IT業界でのスタートアップへの転職を数多くお手伝いしてきました。今までの転職例をもとに皆様に合った転職先をご提案することも可能ですので、お気軽にこちらのフォームよりお問い合わせください。
研修制度
スタートアップでは、会社として設立間もないため研修制度が整っていないことも多くあります。そのため、研修という扱いであったとしても、期間は明確に設けられておらず、机上のレクチャーではなく現場で学ぶ、いわゆるOJT(On the Job Training)という実務に携わりながら行う教育であることが一般的です。
ただ、こちらは言い換えれば早期から現場に出て即戦力として働くことが出来ることを意味し、よりやりがいを感じながら成長することができます。また、研修がないことで、模範的なやり方ではなく自分のやり方や能力を発揮しやすい環境にあり、早い段階で自分らしい働き方を実現しやすいといったメリットにもなります。一定のスキルや経験を積んできた方は、スタートアップのような早期から自分の裁量で働くことができる環境は、魅力的とも言えるのではないでしょうか。
ITスタートアップでのキャリア構築を成功させるには
ここまで見てきたように、現在大手IT企業で働いている方にとっても、スキルや経験を持ち、即戦力として働くことができるという自信がある方にとって、スタートアップへの転職はメリットが非常に多いものとなっています。
IT業界におけるスタートアップでは、現在エンジニア職、デザイナー・Webデザイナー、マーケティング、営業などのポジションが積極的に採用されています。Computer Futuresでは、特にフィンテック領域やサイバーセキュリティ領域を中心に、スタートアップへの転職を目指す方へのアドバイスを行っております。また、業界の展望や他業界との比較など、各種ご相談も随時受け付けております。IT業界におけるキャリアアップの機会をお探しの方は以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。