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2021年は新型コロナウイルス感染症(Covid-19)による転職や採用への大きな影響も見られず、積極的な採用活動の盛り返しが見られた1年でした。とりわけITやテクノロジー領域では、コロナ禍でリモートワーク需要やDX (デジタルトランスフォーメーション)が進んだこともあり、業績を伸ばした企業も多く、全体的にコロナ以前よりも活発な採用が続いています。

この状況は2022年以降も続く見込みであると同時に、大手企業の新規事業の立ち上げやスタートアップ企業の誕生、また外資系企業の日本市場への進出など新たなビジネスが日々生まれる中で、豊かな知識と経験を持って事業をリードしていくことのできるミドル層(具体的には35歳以上)への需要が高まっていくことが想定されています。つまり、ミッドキャリアで新たな挑戦をしてみたいという方や、今までの経験を活かしてより大きな裁量とスピード感のある仕事を探されているという方にとって、転職におすすめの1年となるでしょう。

この記事では、ITとテクノロジー領域において2022年にさらなる成長が期待される分野、すなわち転職におすすめの業界や職種をご紹介します。

 

2022年転職におすすめの業界

  • フィンテック(金融テクノロジー)

米国の調査会社CBインサイツによると、世界で800社以上あるユニコーン企業(企業評価額が10億ドル、約1,100億円以上、かつ設立10年以内の非上場ベンチャー企業)を分野別に見てみると、フィンテック分野の企業が19%(162社)と最も大きな割合を占めています。

日本でも、コロナ禍においてPayPayやLINE pay, 楽天ペイやメルペイなどQRコード決済を始めとしたキャッシュレス決済や、AIを駆使したり、スマホで完結したりする手軽な投資サービスの登場など、日常生活にこれまで以上にフィンテックが浸透してきたことを実感している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

先日「フィンテックのスタートアップ・ベンチャー企業に転職したい ― 今、注目の主要企業と適した人材とは?」でご紹介したように、数多くの企業がしのぎを削っています。2021年11月に行われた銀行法の改正では、フィンテック企業を含む「一定の銀行業高度化等会社」について認可基準の緩和が行われたこともあり、フィンテック企業にとっては追い風が吹いています。フィンテック企業、主にスタートアップ企業で働くことのメリットについては以下の記事をご覧ください。

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金融からの転職で、フィンテックの人気が高まっている理由とは?

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  • サイバーセキュリティ

高度化するサイバー攻撃とセキュリティ対策のトレンドとは?」でご紹介したように、急増する自動車へのサイバー攻撃や5Gを利用したIoTによる新たな脆弱性、医療機関やインフラ設備を狙い撃ちにしたランサムウェア攻撃など、日々新たな脅威が生まれるサイバーセキュリティ分野。実際に、パロアルトネットワークスが発表したグローバルを対象とした調査「クラウド脅威レポート2021年版」では、2020年の第2四半期(4~6月)に高等教育機関に対するセキュリティ被害が前年同期比15%増加していることが明らかになりました。

クラウドでのデータ管理やIoTの普及によるエンドポイントの増加に伴い、セキュリティ対策への投資の重要性がこれまで以上に認識され始めており、サイバーセキュリティ関連プロダクトやサービスを展開するベンダ―企業の今後のさらなる成長が期待できます。これらの企業の多くは海外に本社を持つ外資系企業であり、すでに確立したプロダクトや安定した経済的な基盤を持ちながらも、日本法人として大きな裁量とスタートアップ企業のようなスピード感を持って仕事を進められる環境に恵まれています。また、その他の企業でも、業界問わず社内の情報セキュリティシステム担当者への需要の高まりが見られます。

 

  • ビッグデータ&アナリティクス

先日、中国工業情報化省によって、中国のビッグデータ産業の市場規模を年25%ほどの高い成長率で2025年までに3兆元 (約53兆円) 規模に成長させるとの計画が発表されました。10年ほど前からその活用可能性の大きさが注目されてきたビッグデータですが、社会システムやインフラにおけるDXが加速しより用途が広がる中で、改めて注目が集まっています。

日本の企業、とりわけ比較的長い歴史を持つ企業の多くでは、以前はデータのサイロ化やシステムのブラックボックス化が多く見られ、データ活用までの道のりは遠いと考えられていましたが、ここ数年のDXの発展や、それに伴う営業およびマーケティング活動の効率化および自動化が進む中で、さらなる成長が期待できる分野です。

 

  • アドテック/アドテクノロジー

上述のビッグデータと切り離せない関係にあるのがアド(広告)テクノロジーです。顧客広告のあり方が大きく変貌を遂げ、マス広告よりもデータに基づいたユーザーにとってより関連性の高いパーソナライズ広告が主流となりつつある現在、ビッグデータを用いた正確なターゲティングや、よりシームレスに、UX(ユーザーエクスペリエンス)を損なわない形で広告を表示するための技術競争が激化しています。

矢野経済研究所の調査によると、2020年に役2.1兆円規模だったインターネット広告市場は2024年に3.3兆円まで拡大することが予測されており、今後大きな成長が見込まれる分野です。インリード型の広告プラットフォームを開発し、アドテック領域で活躍する代表的な企業であるTeadsのインタビュー記事は以下からご覧いただけます。

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デジタルメディア界の革命児、Teadsで叶えるキャリアとは?

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  • Salesforce

セールスフォース社が提供するSalesforceは、世界No.1のシェアを誇るCRMであり、世界中で15万社以上の企業が利用するクラウドプラットフォームです。DXの加速に伴いSalesforceの導入や活用範囲を拡張する企業が増えており、Salesforce専門チームを社内で抱える企業も見られます。日本国内では、2026年までに新たに44万のSalesforce関連の仕事が生まれると予測されており、非常に注目を集めている領域です。

Salesforceプロフェッショナルとしてのキャリアをおすすめする理由として、成長分野であるということに加え、そのコミュニティの活発さが挙げられます。セールスフォース社が提供する無料学習コースやモジュールに加えて、オンライン・オフライン問わず様々な勉強や情報交換のためのグループがあり、今後新たなスキルを身に着けてキャリアアップやキャリアチェンジを検討されている方にとっては非常におすすめの分野です。

Salesforceスキルを活かしたキャリアについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。

Salesforce 転職

Salesforceのエコシステムで転職するには?仕事の種類・内容・転職先となる企業タイプをご紹介

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2022年転職におすすめの職種

以下では、2021年から引き続きIT領域で高い需要が続いている職種をご紹介します。各職種をクリックすると、職務内容委の詳細や役立つ資格、平均年収などの詳細が見られます。

 

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは社内システムの設計・構築・運用において、主にサーバーやネットワークなどのシステムのセキュリティ管理を専門とし、サイバー攻撃や情報インシデントを防ぐための対策から実行、問題が発生した際の調査および対処を行います。主な仕事として、「企画」「設計」「開発・実装」「テスト」「保守・運用」の5つに大きく分けられます。

セキュリティエンジニアの平均年収は、ITエンジニア全体の平均年収よりもやや高いとされていますが、経験やスキルによって幅があり、新卒や未経験などポテンシャル採用の場合は300万円台の場合もありますし、専門性がある場合や管理職採用の場合は年収1000万円以上も十分見込めます。業界の年収水準によっても年収が前後し、金融業界や保険業界、外資系企業などは比較的給与水準が高くなる傾向にあるでしょう。

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社内SE

社内SEの業務内容は起業によって大きく異なりますが、一般的には社内のシステムやインフラ、ハードウェアの管理 、社内システムやサービスの企画・開発 、そしてシステムによる業務効率化などが挙げられます。

平均年収は、SIerと呼ばれるシステムインテグレーターに勤務する場合やその他エンジニア職に就く場合の給与よりもやや低い水準とされていますが、これも業界によって大きく異なります。

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インフラエンジニア

インフラエンジニアはビジネスに欠かせないITインフラを構築・管理する仕事で、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの2種類に大別されることが多いです。勤務先も、SIerか一般企業のIT部門の2種類に分けることができます。

インフラエンジニアへの転職に有利となる代表的な資格にはIPA情報処理技術者試験、情報処理安全確保支援士、Oracle Master(オラクルマスター)、CCNA、CCNP(Cisco技術者認定)、LPIC、LinuC(Linux技術者認定試験)などがあります。

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Webエンジニア

Webエンジニアとは、WebサイトやWebアプリケーション、Webシステムなど、Web上で動作するシステムやアプリの開発に携わるエンジニアです。「フロントエンドエンジニア」と「バックエンドエンジニア」の2つに大別され、それぞれが開発工程において担当する領域が異なります。

フロントエンドエンジニアの場合、HTML、CSS、JavaScriptを扱えるスキルがマストです。これに加え、React.jsVue.js、jQueryなどのフレームワークのうち最低でも1つを習得しておくのがおすすめです。バックエンドエンジニアの場合、PHPSQLはもちろん、Ruby、Python、Java、JavaScriptなどを習得する必要があります。

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AIエンジニア

AIエンジニアとは、AIを用いたシステム開発やデータ分析を行うエンジニアです。AIのアルゴリズムの研究・開発に取り組むエンジニアを含む場合もありますが、基本的には、すでに研究・開発されたAIのアルゴリズムを利用するエンジニアを指します。AIの中でも、機械学習分野を担当するエンジニアは、機械学習エンジニアと呼ばれます。

G検定(ジェネラリスト検定)、E資格(エンジニア資格)、統計検定、Python 3 エンジニア認定データ分析試験などの資格が転職において役立つでしょう。

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アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアとは、アプリケーションの設計、プログラミングを含む開発、テストなどの工程を担うエンジニアです。開発が完了した後の不具合の修正やアップデート対応など、運用・保守もアプリケーションエンジニアの担当領域となる場合が多いです。企業や開発案件によっては、要件定義やクライアントとの折衝などの上流工程を担当する場合もあります。

アプリケーションエンジニアは求人数も多く、即戦力となる人材は市場価値が非常に高いです。さらに、募集職種の業務が未経験の人材でも、スキル要件を満たしていれば積極的に採用している企業もあります。

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DevOps

DevOps(デブオプス)とは、開発プロジェクトにおいて、開発担当と運用担当の溝を埋める職種です。開発(Development)と運用(Operation)の間のギャップを解消し、プロジェクトメンバー全体が同じ目標に向かって進むための開発手法の1つとして、DevOpsが生み出されました。開発者と運用者の間の密なコミュニケーションを実現し、システムの質を損なうことなく開発からリリース、運用までの工程を迅速に進めることがDevOpsの主なミッションです。

DevOpsエンジニアの年収は業界により大きく異なりますが、最低でも500万円以上とされている場合が多く、技術力や経験があれば初年度年収が600~700万円になる場合もあります。さらにマネージャークラスになれば、年収は1000万円を超えることも不可能ではありません。今後DevOpsエンジニアの需要が増していくにつれ、技術と経験のある人材の年収はいっそう上がっていくことが見込めるでしょう。

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クラウドエンジニア

クラウドエンジニアとは、クラウドを利用してシステムのインフラやミドルウェアを設計・構築・運用するエンジニアです。転職時には、AWS認定、Microsoft Azure認定資格、Google Cloud認定資格、CompTIA Cloud+認定資格などの資格が役に立ちます。

クラウドサービスを利用する企業の増加によってクラウドエンジニアの需要は安定しており、高い将来性が見込めます。

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データエンジニア

データエンジニアとは、データ分析・活用に関わる専門職です。データの収集や調整、データ管理を担い、データ管理のための情報基盤を構築・運用することが主な業務です。また機械学習やAIの分野において、学習データを作成することもあります。

転職時に有利になる資格にはデータベーススペシャリスト試験、システムアーキテクト試験、Googleプロフェッショナル データエンジニア、CCP データエンジニア認定試験(Cloudera)、統計検定などがあります。

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カスタマーサクセス

カスタマーサクセスとは、顧客にサービスの導入を「成功」と判断してもらえるよう、サービスの有効な利用方法を提案し、問題解決を支援して顧客満足度を向上させること、またはその施策を担う職種を指します。サブスクリプション型のSaaSサービスの普及によりますます需要が高まっている職種です。

営業の経験やコンサルティングスキルを活かすこともでき、比較的新しい職種であるためカスタマーサクセスとしての経験がなくても挑戦可能です。

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データサイエンティスト

データサイエンティストとは、企業における新たな商品やサービスの創出や業務プロセスの改善のために、大量のデータ(ビッグデータ)を分析する技術者です。技術者でありながら、データを活用するコンサルタントのような側面を持ちます。

厚生労働省が発表している「令和2年賃金構造基本統計調査」では、データサイエンティストの平均年収は508万円となっていますがこれはあくまで平均の年収であり、将来的にはさらなる高収入が狙える職種です。データサイエンティストの専門性から、高い報酬で人材を募集している企業は少なくありません。中には年収1,000万円を超える場合もあります。

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ペンテスター

ペンテスター(ペネトレーション・テスター)はホワイトハッカーとも呼ばれ、システムにアクセスするための脆弱性を見つけ、その脆弱性が実際に、悪意ある第三者によってシステムを脅かされる原因となるものかどうかを判断する職種です。 セキュリティ全般に関する知識やJavaやPythonなどの複数のプログラミングの知識 、ネットワーク・データベースの知識など多岐にわたる知識が求められます。

日本国内のサイバーセキュリティ人材は質的にも量的にも不足しているのが現状です。政府や民間の組織において国内のセキュリティ人材育成のための活動が行われており、人材育成の機運が高まっているうちに、学び直しとして取り組むのも1つの手です。

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プリセールスエンジニア

プリセールスエンジニアとは、ITの専門家として営業と連携し、サービスやシステム導入前のクライアントの課題や疑問を解消することを通じて成約に結びつけるサポートを行う職種です。

技術知識を活かせる営業職種ということもあり、経験や知識を活かして売上に貢献できれば高年収が期待できる職種です。中小企業や未経験者採用、売上ノルマが無い企業などの場合は他のエンジニア職と同程度となることがありますが、経験や知識を活かして即戦力になれる場合やマネージャーなど管理職として採用される場合は、年収1,000万円を超えるケースも少なくありません。外資系企業などインセンティブを支給する企業の場合は、さらなる高収入も望めるでしょう。

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以上、2022年に転職するならおすすめの業界と業種をご紹介しました。ご自身の市場価値や今までの経歴を最大限生かす方法など、ご相談がございましたら以下のフォームからお気軽に無料相談をお申し込みください。最新の求人は以下のボタンからご覧いただけます。2022年以降も引き続き、ITとテクノロジー領域に特化した転職エージェントとして、皆様の転職のご支援をしてまいります。

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