
以前の記事では、ITコンサルタントの種類やITコンサルタントとして働くメリットについてご紹介しました。ITコンサルタントの中でも、特に近年需要が高まっている職種としてセキュリティコンサルタントが挙げられます。IoTや5Gといった技術革新やテレワーク、クラウドサービスを利用する企業の増加に伴いサイバー攻撃のリスクが高まる中、セキュリティ人材の獲得に積極的に取り組む企業が増加しており、中でもセキュリティコンサルタントに求められる知見や経験を持った人材は極めて重宝されています。
今回はサイバーセキュリティ領域に特化して採用と転職のサポートを行う当社のコンサルタント、安達鴻希に、現在のセキュリティコンサルタントの採用動向と、同職で特に需要の高まるスキルや経験、セキュリティコンサルタントから転向が可能な職種について話を聞きました。
目次
- セキュリティコンサルタントとは?主な仕事内容
- セキュリティコンサルタントの採用動向
- セキュリティコンサルタントに必要なスキルと経験
- 未経験でセキュリティコンサルタントへの転職は可能?
- セキュリティコンサルタントのキャリアパス
- セキュリティコンサルタントの魅力とは?
セキュリティコンサルタントとは?主な仕事内容
セキュリティコンサルタントとは、顧客のIT環境と情報セキュリティに関する課題を把握し、それを踏まえてセキュリティレベルの向上と維持のための施策を提案、支援する職種です。主な役割は、以下の3つに分類されます。
- 戦略立案・・・顧客のセキュリティ体制を分析、課題を抽出した後、セキュリティ面における顧客のゴールに沿った戦略を立案します。
- マネジメント支援・・・顧客が求めるセキュリティレベルを維持・管理するために、セキュリティポリシー策定支援、ISMS認証取得支援、研修や教育を通してセキュリティ管理を支援することを行います。
- 実行支援・・・セキュリティアーキテクチャ策定、既存システムやアプリケーションのリスク評価、セキュリティ対策の立案や実装、運用支援などを行います。
セキュリティコンサルタントへ転職するメリットや平均年収、必要なスキルについては以下の記事をご覧ください。

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セキュリティコンサルタントの採用動向
近年注目の高まるサイバーセキュリティ領域ですが、手口が巧妙化するサイバー攻撃へ対応するためにも多くの企業で採用が活発化しています。「特に現在は多くの日系企業において、セキュリティコンサルタントを含むサイバーセキュリティに関わる多くのポジションの採用が行われています。外資系企業での採用に関しては、昨年の同時期と比較して積極性は見られませんが、採用に対する積極性やポジションごとの需要も非常に速いペースで変化しています」と安達は話します。
また、「例えば、欧米諸国ではインフレが進み、日本に拠点を置く欧米系セキュリティ企業は、現在採用に消極的になっています。一方、日本国内においては、セキュリティシステムの商品開発や輸出入量の増加、そしてこれは結果的にセキュリティシステム企業の採用の積極化を促しています。このように、サイバーセキュリティ領域における採用動向は世界情勢によっても左右されています。サイバーセキュリティ領域やセキュリティ関連職種で転職を考えていらっしゃる場合は、日々世界情勢を確認しながら賢く転職時期や転職先を見極め、理想のキャリアを目指すための戦略を組むことが求められます。ご自身でトレンドをすべて把握するのは難しいかと思いますので、私たちのようなエージェントをぜひ活用して情報収集をしていただければと思います」と安達は続けます。
セキュリティコンサルタントに必要なスキルと経験
こちらの記事でもご紹介したように、セキュリティコンサルタントへの転職を目指す場合、一般的には、以下のスキルや経験が必要とされます。
スキル
- 情報セキュリティに関する知識や経験
- アプリケーションやネットワークの知識
- 仮説構築力
- コミュニケーション能力(ヒアリング能力・プレゼンテーション能力)
資格
- CISSP
- システム監査技術者
- CISA(公認情報システム監査人)
- GIAC
- ITストラテジスト
「職種未経験の場合でも、情報セキュリティの知識を持っていることは必須ですし、アプリケーション開発などのテクニカルな経験をもっている人は重宝される傾向にあります」と安達は述べます。「また、何よりもコミュニケーション能力の高さは大切で、謙虚さや学ぶことに貪欲な姿勢、何事にも臨機応変に対応できる柔軟性なども重視されます。企業によっても条件は多少異なりますが、現在のセキュリティ人材不足の背景もあり、応募要項に10の条件が記載されている場合、5つ以上当てはまっていれば選考を進める企業が多く見られます」。
「資格に関しては、私は特にCISSPの取得をおすすめします。セキュリティ業界での経験が4年あれば誰でも受験可能で、資格取得へのハードルが低いだけでなく、企業によっては採用の際に非常に有利に働くことも期待できます。どのような企業で応募前にCISSPの資格取得が推奨されるかについては、当社もしくは私まで直接お気軽にご相談ください」と安達は話します。
未経験でセキュリティコンサルタントへの転職は可能?
「前述の通り、今の日本ではセキュリティ人材への需要の高さとは対照的に、セキュリティに関連した高いスキルセットを持った人材は不足しています。そのため、職種未経験であった場合でも、セキュリティコンサルタントとしてのキャリアを築くことは十分に可能です」と安達は話します。
「特にセキュリティエンジニアとして経験を積んだ後にセキュリティコンサルタントへ転職するケースが多く見られます。その他にも、アプリケーション開発に携わっていた候補者が、セキュリティコンサルタントとしてアプリケーションのセキュリティシステムのコンサルティングに関わるようになったというケースも見てきました。また、セキュリティシステムの営業やエンジニア職からセキュリティコンサルタントへの転向も十分可能であり、セキュリティ領域でも間口の広い職種だということができます」。
セキュリティコンサルタントのキャリアパス
セキュリティコンサルタントのキャリアパスとして代表的なものを以下でご紹介します。
1. 管理職
「セキュリティシステム企業の管理職には、セキュリティコンサルタント出身の方が多く見られます。これは、コンサルタントとして企業の経営方針や企業戦略に直接関わる機会が多いことが理由の一つとされています」と安達は話します。
「また、セキュリティコンサルタントとして働く中で、顧客のエグゼクティブ層と関わる機会も少なくないため、これらの人との働き方を既に学んでいることも理由の一つとして挙げられるでしょう。管理職としてマネジメントに関わることができる可能性の高さは、セキュリティコンサルタントの魅力の一つと言えます」。
2. 社内セキュリティコンサルタント
「セキュリティシステム企業に所属し、顧客にコンサルティングサービスを提供することを業務としていた人が、システムを利用する側として社内のセキュリティコンサルティングに携わるようになるというのも、よくある事例です」と安達は述べます。
「過去には、化粧品会社への転職を叶えた候補者の方もいらっしゃいました。セキュリティコンサルティングという武器を持ち、将来的には様々な業界へ転職することが可能となります」。
3. サイバー警察や自衛官サイバー防衛隊、官公庁
「最近多い事例として、サイバーセキュリティ関連企業からサイバー警察や自衛官サイバー防衛隊、もしくは民間企業から、官公庁への転職があります」と安達は述べます。
「元々これらの職種への転職を目指し、サイバーセキュリティ企業または官公庁のサイバーセキュリティ部門に就職したりするケースもありますし、セキュリティコンサルタントとして一定の経験を積んだ後、より大きなセキュリティプロジェクトに関わりたい、より安定した仕事に就きたい、といった理由からこれらのキャリアを選ぶ場合もあります」。
4. セキュリティエンジニア
「多くのセキュリティシステム企業では、入社後社員の希望に応じて、柔軟に部署移動が可能である環境が整っています。そのため、セキュリティコンサルタントとしての経験を積みながら技術的な部分の知識やスキルを学び、セキュリティエンジニアへ転向するというケースも多く見られます」と安達は話します。
「前述の通り、セキュリティエンジニアからセキュリティコンサルタントを目指す例も多いですし、どちらの職種を選択したにせよ、コンサルティングとエンジニアリングの双方の知見を身に付けることで希少性の高いセキュリティ人材として市場価値が大幅に上昇します。これによって、更なるキャリアパスの選択肢が生まれます。」
セキュリティコンサルタントの魅力とは?
「セキュリティコンサルタントは、職種未経験でも転職が可能なだけでなく、専門的な知識や経験を十分に活用できるやりがいの高さや、平均年収の高さ、経験を積んだ後のキャリアの可能性の多さなどが魅力的な職種です」と安達は話します。
セキュリティコンサルタントの平均年収については、当社がまとめた以下の最新給与水準調査にてご覧いただけます。
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