
IT業界やテクノロジー業界は他の業界と比べても非常に早く、求められる人材像やスキルもめまぐるしく変化を遂げてきました。また、新型コロナウイルス感染症の拡大によって世界中のビジネスのあり方が大きく変わった2020年から2021年にかけては、さらに顕著にその傾向が見られました。
セールスフォースドットコム社の公認コンサルティングパートナーであるComputer Futuresは、Salesforce領域に特化したチームが、Salesforceのエコシステム内で採用や転職をお考えの皆様のサポートを提供しております。
先日、アメリカのComputer Futuresチームが主催したウェビナーでは、Salesforceコミュニティをリードし、大きな影響力を持つメンバーをゲストに迎え(ゲストの詳細はページ下部をご覧ください)、Salesforceエコシステムにおける採用・転職の動向についてお話しをいただきました。
アメリカのITおよびテクノロジー領域におけるトレンドは、少し時差を伴い日本の市場にも波及してくる様子が多く見られます。以下では、今後の日本におけるSalesforce市場の予測の意味も込めて、アメリカにおけるSalesforce市場の最新動向をご紹介いたします。
Salesforce市場の現状 - 人材が飽和しているのか?
日本ではSalesforceの専門的なスキルや経験を持つ方はまだ決して多くない一方で、Salesforceを導入する企業の数は増えているため、需要と供給のバランスで言えばまだまだ需要が高い状況にあります。
一方アメリカでは、2020年以前、技術系職種の中でも特にSalesforce管理者(アドミン)を中心に人材の供給が増え、飽和状態を迎える分野があるとの予測が立てられていました。新型コロナウイルス感染症以前の状況としては、主に以下が挙げられます。
- すでにデジタルトランスフォーメーションに着手/完了し、新たなテクノロジーを社内に取り入れている企業では、定期的な採用活動が行われていた。しかし、人材への需要よりも供給が高い状態だった。
- デジタルトランスフォーメーションやテクノロジーの導入を進めていない企業では、従来のビジネス慣習を重んじ、追加リソースへの投資が遅れていた
- スタートアップ企業やベンチャー企業は、テクノロジーを活用して競争力を高めることに苦戦していた
- 求職者や当社のような転職エージェントは、採用企業の所在地やスケジュールを第一に考慮すべき必要があった。
しかし、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによってこれらの状況にも大きな変化が見れました。
多くの企業が半ば強制的にリモートワークへの切り替えを強いられ、対応に追われた結果、これまで懸念されていた生産性の低下は実は大きな問題ではなく、むしろ従業員の仕事に対する満足度の向上やコストの削減など、企業にとって大きなメリットをもたらすことがわかりました。
パネリストの一人であるSheldon Simmonsが指摘するように、ITソリューションを必要とする企業が増えれば増えるほど、開発者やエンジニアなど、技術職への需要が増え、テクニカルなスキルを持つ人材へのニーズも高まっていきます。Brigette Sjoboen曰く、若い企業の活躍の場が広がったことで、エンジニアを中心とするIT人材の需要はかつてないほど高まっています。
IT系の転職市場で新たなポジションを探す際には、応募の機会を逃さないためにも、企業の視点を必ず視野に入れるようにしましょう。Jennifer Leeが言うように、Salesforce管理者を探しているすべての企業が「Salesforce管理者」という言葉を知っているとは限りません。また、企業によって肩書やポジションの名前の付け方は様々です。そのため、転職活動の際には以下の2点に気を付けると効率よくご自身に適した求人を見つけることができるでしょう。
- 求人情報の肩書のみで判断せず、職務内容をきちんと理解すること
- ご自身の履歴書やLinkedInプロフィール、その他ソーシャルメディアでご自身の経歴をアピールする際は、検索性の高いキーワードを盛り込んで「見つかりやすい情報」を提供することを心がける
また、ネットワークを活用して成長企業の求人情報を入手したり、チャリティや非営利団体で技術的なボランティアをして自分の能力をより多くの人にアピールしたり、スキルアップのためのリソースを探したりするのも有効な手段です。Computer Futuresのような転職エージェントを利用するのも、限られた皆様の時間やリソースを最大化する良い選択肢です。上述のように検索では見つかりづらいけれども皆様のご希望に合う求人を、専任のコンサルタントがご紹介させていただきます。
ITキャリアの目標を定めるには
キャリアにおける目標や重視する要素は人それぞれですから、理想的なキャリアパスをスタートさせるためには、まず自分が何を楽しんでいるのかを知ることから始めましょう。なキャリアパスをスタートさせましょう。
Sheldon Simmonsは、「自分の場合は常にテクノロジーに惹かれ、刻々と変化する状況を楽しんでいた」と語ります。その結果Salesforceに出会い、Salesforceをビジネスに役立てるというミッションに夢中になりました。現在は彼のコンサルティングを必要とする世界中の大手企業を相手に、画期的なプロジェクトの数々に取り組んでいます。
クリエイティビティとテクノロジーは密接に結びついており、あらゆる分野の優秀な人材が集まっています。テクノロジー業界には、閃きから生まれるようなものから、非常に高度な技術を必要とするものまで、さまざまな分野があります。皆様の情熱と仕事へのひたむきさが、皆様をキャリアパスへと導いてくれるでしょう。
Salesforceスキルを活かした技術者として、キャリアを次の段階に進めるための最も重要なステップは、ご自身のプロとしての強みと弱みを見極めることです。2年後にはどのような職務に就いていたいですか?または、どのような環境や企業で働いていたいですか?それを実現させるために、現在の自分が活かせるスキル、また足りないスキルを特定し、改善していきましょう。エンジニアや開発者としてのキャリアを次の段階に勧めるには、資格や人脈、ソフトスキルも重要ですが、やはりハードスキルが何よりも大切です。
定期的なレジュメ(履歴書・職務経歴書)のアップデートは、自己分析を行う上で非常に役に立ちます。また、これまでに取り組んだ職務を改めて書き出してみることで、今まで気づいていなかったご自身の強みを見つけられるかもしれません。皆様のカレンダーに半年、もしくは1年に1回、リマインダーを設定してレジュメをアップデートするための時間を設けることから始めてみるのもおすすめです。
Salesforceエコシステムでのキャリアパスの種類については以下の記事でもご紹介しておりますので、あわせてご覧くださいませ。

Computer Futuresでは、業界の最新動向を把握したコンサルタントが、皆様のキャリアのご相談や最適な求人のご紹介をさせていだきます。以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。
パネリスト紹介
Stephanie Herrera, Global VP of Computer Futures
Salesforce MVPの6度の受賞歴を持つStephanieは、社会経済的な背景を問わず、テクノロジーを通じて人々をスキルアップさせ、結びつけることを支援しています。Salesforce Saturdays の創設者であり、オースティン Salesforce WIT 支部の創設者でもあります。また、PepUp Techの共同設立者であり、Texas Dreaminの設立理事、MerivisとComputer Futuresの理事も務めています。
David Liu, Salesforce Technical Architect at Google
GoogleのSalesforceテクニカルアーキテクトであり、Salesforce MVPの7度の受賞歴とSalesforce Golden Hoodie受賞歴に加えて、18個のSalesforce認定資格を取得しています。以前はSalesforce関連職種に特化した人材紹介会社の顧問を務めており、過去8年間にわたり自身のウェブサイトSFDC99.comでSalesforceのキャリア業界について執筆をつづけています。
Angela Mahoney, Head of Global Training at Oktana Corporation
Angelaは、カスタムアプリの設計と開発を専門とするSalesforceパートナーであるOktanaのグローバルトレーニング責任者であり、それ以前はShellBlack.comのタレント&カルチャー担当ディレクターを務めていました。世界中の女性管理者にコードを教えるために彼女が共同で設立した組織、RADWomenのエグゼクティブ・ディレクターを務め、Salesforce MVPの6度の受賞歴に加え、2019年にセールスフォースドットコム社からEquality AwardとTrailheadxのGolden Hoodieを授与されました。DreamforceやSalesforceコミュニティイベントなど、世界中の様々なイベントで英語とスペイン語で講演を行っています。
Sheldon Simmons, Salesforce Consultant at Slalom Consulting
Sheldonは6個のSalesforce認定資格を持つプロフェッショナルであり、Golden Hoodieの受賞歴を持ちます。多くのSalesforceコミュニティイベントで講演を行うDreamforce Keynote Speakerである傍ら、Salesforceのクラウド技術でキャリアを積もうとしている退役軍人を支援する組織、Merivisの役員も務めています。