日本では有数のSalesforce関連職種に特化した採用と転職のサポートチームを持つComputer Futures。セールスフォースドットコム社の公認コンサルティングパートナーにも認定されており、世界規模でSalesforceプロフェッショナルの方々と深いつながりを築いています。
中でもセールスフォースドットコム社の本社があり、活発なコミュニティ活動が行われているアメリカでは、キャリアの選択肢としてのSalesforceエコシステムが発達・成熟しており、数年先の日本の姿を予測する際の参考となり得ます。
以下では、2021年2月に”Salesforce Job Outlook 2021”と題してアメリカで開催されたパネルディスカッションの概要を、今後日本のSalesforce市場がどのような変化を遂げていくのか、当社の予測とあわせてご紹介いたします。パネリストの略歴についてはページ下部でご紹介しています。
ウェビナーでは主に以下の5つのトピックについてパネリストたちから意見を伺いました。
1. 現在のSalesforceエコシステムにおける採用や転職の動向はどのようなものでしょうか?
2. 今後数年間でSalesforce関連職種の求人情報はどのように変化していくのでしょうか?
3. Salesforce エコシステムでのキャリアを築くにあたり、認定資格や実績はどの程度重要なのでしょうか?
4. 自分に合ったSalesforceキャリアパスを見つけるのに最適な方法はどのようなものなのでしょうか?
5. Salesforceエコシステムで仕事を探す際、転職エージェントを使うべきでしょうか?
現在のSalesforceエコシステムにおける採用や転職の動向はどのようなものでしょうか?
Salesforceの求人市場はこれまで以上に好調で、Salesforceプロフェッショナルの皆様にとっては朗報です!しかし、そのニーズは変化しています。
パネリストの一人であるAngela Mahoneyは15年前、偶然からSalesforce管理者としてSalesforceのキャリアをスタートさせました。開発者や管理者のチームをマネジメントするようになった彼女が最も恐れていたのは、チームメンバーが他社に引き抜かれて辞めてしまうことでした。なぜなら、Salesforceスキルへの需要が非常に高く、彼らは ‟エレベーターを降りるたびに複数の仕事のオファーを受けている“ような状態だったからです。
Salesforceエコシステムのマネージャーの多くは今でもこの恐怖を抱えています。この業界は成長を続けており、企業がデジタルトランスフォーメーションを受け入れ、コロナ禍やアフターコロナのニューノーマルに対応し、バーチャルワークプレイスでの効率化を図ることで、新たな需要が生まれ続けています。 Salesforceのエコシステムには様々なキャリアパスがあるため、自分に合った方向性を見つけられれば、可能性は無限に広がります。
今後数年間でSalesforce関連職種の求人情報はどのように変化していくのでしょうか?
未曾有の出来事に次々と直面している現在の世界において、ある業界の将来を正確に予測することはかつてないほど困難です。 しかし、Salesforceエコシステムの様々なトレンドを見てきた専門家の意見には高い信ぴょう性があります。
David Liu氏が言うには、アメリカのSalesforceエコシステムにおいて、管理者は今後数年間良い仕事を見つけるのに苦労するでしょう。業界では管理者のスキルのみではなく、クロストレーニングを受け多面的な知識や経験を持つ人材が求められているためです。勤務先として魅力的な優秀な企業は時代の変化に合わせてニーズを素早く変化させており、新しい方向性に必要な専門知識を提供でき、企業のビジョンを実行できる人材を必要としています。
Angela Mahoneyが指摘するように、企業がSalesforceプラットフォームを効果的に活用するためには、開発者や開発チームの存在が欠かせません。 管理者のみならず、開発者としてのスキルセットを身に着けることで、履歴書に付加価値がつき、ご自身の市場価値を高めることができます。エントリーレベルの管理者や、すでにあるものの「実行者」としてキャリアをスタートさせた人が成功するためには、Stephanie Herreraが言うように、常に成長し、学習し、自分のコンフォートゾーンを超えていく必要があります。
これは、Salesforceキャリアのどの段階にいる人にも当てはまります。 Sheldon Simmonsは、中学生の息子が現在Java Scriptを学んでいることを紹介し、エントリーレベルのプロフェッショナルに求められる技術スキルの変化が、将来の労働市場のあり方に大きな影響を与えることを指摘しています。
Salesforce エコシステムでのキャリアを築くにあたり、認定資格や実績はどの程度重要なのでしょうか?
では、自分のスキルにまだ成長の余地があり、トレーニングや学習の必要性があることを認識した場合に、Salesforceエコシステムの中で自分の価値を高めるにはどうすればよいのでしょうか。
最もわかりやすい答えは、認定資格を取得することです。多くの資格の中から選ぶことができ、特にSalesforceのキャリアが浅い場合には、実務的な知識を証明することができるため、転職活動において採用担当者への大きなアピールとなります。
しかし、これは誰にとっても、キャリアのどの段階においても当てはまることなのでしょうか? 答えは、イエスでもありノーでもあります。
他の業界からSalesforceスキルを活かしたキャリアに移行し、それまでのスキルや経験を活用している人にとっては、認定資格は他の能力指標ほど重要ではないかもしれないとAngela Mahoneyは言います。技術的なスキルは、長年Salesforceを使ってきたことで得られる実務的なスキルよりも、はるかに簡単に習得することができます。
もしあなたがキャリアの中で他の人よりも先輩の立場である場合、認定資格は単に能力を示すものとしてはそれほど重みがなく、ほとんどの企業にとって違いはありません。 David Liu氏は、成熟したSalesforceプロフェッショナルは、自分の知識を広め、他の人のリソースとなることでSalesforceコミュニティへ貢献することが最良の投資だと提案しています。
Sheldon Simmonsは、まずは、自分が選んだキャリアパスで技術的なスキルを身につけて目標を達成できることを証明すること、そしてそのあとに資格、経験、知識に付随するソフトスキルを持っているかどうかが極めて重要だと話します。どのようなキャリアにおいても、リーダーシップを発揮するためにはハード面のスキルだけでは不十分です。 Salesforceのプロフェッショナルとして成功するには、ソフトスキルを含むさまざまな特性を兼ね備えている必要があるのです。
自分に合ったSalesforceキャリアパスを見つけるのに最適な方法はどのようなものなのでしょうか?
David Liuは、Salesforceエコシステムでの長期的な成功に収めることのできるキャリアパスを見極めるためには、自分が行う仕事の中で何が好きで何が嫌いなのかを把握することを勧めています。
「一般的に人と接するのが好きな人はコンサルタントやビジネスアナリスト、ソリューションアーキテクトなどへの道が選択肢としてあり、腰を据えて長時間考え、実行するのが好きな人は、開発者が向いているでしょう。大企業で大規模なチームで働きたい方には、テクニカルアーキテクトが向いています」とDavidは話します。
様々な状況を把握してチームを管理することは、それ自体が非常に難しいスキルですが、Salesforceエコシステムにおいてそれができる優秀な人材は見返りの高いキャリアを築くことができるとStephanie Herreraは話す一方で、それができる人材はまだまだ不足していると指摘します。Angela Mahoneyいわく、課題解決のためのスキルは常に誰もが求めるのであると同時に、課題の性質や種類も時とともに変化していきます。技術的なスキルを維持しながら、より高いレベルのスキルを身につけるには、コミュニティでのボランティア活動を通じてSalesforceプラットフォームで仕事をする楽しさを常に感じるのが最適な方法だと話します。
また、自分に合ったキャリアパスを見極めるためには、メンターに相談したり、ネットワークを活用したりすことも非常に効果的です。 Sheldon Simmonsは、メンターに人と話すのが好きだと指摘されるまでは、コンサルタントとしてのキャリアを考えたことはありませんでしたが、この道を選ぶことで、Salesforceで働くことと自分の好きなことを両立できるようになったと話します。
Salesforceエコシステムで仕事を探す際、転職エージェントを使うべきでしょうか?
「優れたエージェント(リクルーター)は、皆様が自分の価値に見合った仕事をしているかどうかを確認してくれます」とAngela Mahoneyは話します。リクルーターは、他の人が知らないような雇用市場についても把握していますし、候補者の給与を上げるための交渉にも慣れていて、皆様がつかんだチャンスをより大きなものにするための手助けをしてくれます。David Liuは、以前リクルーターのおかげで年収が2倍になった経験があると話します。
日本のSalesforce関連職種の現状と今後は?
Salesforce管理者の認定資格はSalesforceエコシステムでのキャリアの入り口として非常にお勧めですが、実際の求人数としてはそこまで多くないのが現状です。理由は前述されていたアメリカの事情とは少し異なり、日本の場合は外部からSalesforce管理者を採用するよりも、社内の人材で賄うケースが多いからです。そのため、Salesforce管理者としての経験を持つ方のキャリアパスとして、Salesforce導入パートナー企業におけるカスタマーサクセスへと転向する方も多く見られます。
一方で開発者としての知識やスキルを持つ場合、コンサルタントはもちろんのこと、プロジェクトマネージャーとしてキャリアを築いていく選択肢もあるため、可能性が広がります。
まだまだSalesforceエコシステムの黎明期とも呼べる段階にある日本。先述した少し前のアメリカのように‟エレベーターを降りるたびに複数の仕事のオファーを受けている“状況とそう大きな違いはなく、Salesforceスキルを持つ方への需要は非常に高い状態です。
成長市場でのキャリアをお希望の方や、Salesforceエコシステム内でのキャリアアップをお考えの方は、Salesforce領域に特化し、高い専門性を持つ当社のチームがサポートをさせていただきます。以下のフォームからお気軽にお問い合わせください。
パネリスト紹介
Stephanie Herrera, Global VP of Computer Futures
Salesforce MVPの6度の受賞歴を持つStephanieは、社会経済的な背景を問わず、テクノロジーを通じて人々をスキルアップさせ、結びつけることを支援しています。Salesforce Saturdays の創設者であり、オースティン Salesforce WIT 支部の創設者でもあります。また、PepUp Techの共同設立者であり、Texas Dreaminの設立理事、MerivisとComputer Futuresの理事も務めています。
David Liu, Salesforce Technical Architect at Google
GoogleのSalesforceテクニカルアーキテクトであり、Salesforce MVPの7度の受賞歴とSalesforce Golden Hoodie受賞歴に加えて、18個のSalesforce認定資格を取得しています。以前はSalesforce関連職種に特化した人材紹介会社の顧問を務めており、過去8年間にわたり自身のウェブサイトSFDC99.comでSalesforceのキャリア業界について執筆をつづけています。
Angela Mahoney, Head of Global Training at Oktana Corporation
Angelaは、カスタムアプリの設計と開発を専門とするSalesforceパートナーであるOktanaのグローバルトレーニング責任者であり、それ以前はShellBlack.comのタレント&カルチャー担当ディレクターを務めていました。世界中の女性管理者にコードを教えるために彼女が共同で設立した組織、RADWomenのエグゼクティブ・ディレクターを務め、Salesforce MVPの6度の受賞歴に加え、2019年にセールスフォースドットコム社からEquality AwardとTrailheadxのGolden Hoodieを授与されました。DreamforceやSalesforceコミュニティイベントなど、世界中の様々なイベントで英語とスペイン語で講演を行っています。
Sheldon Simmons, Salesforce Consultant at Slalom Consulting
Sheldonは6個のSalesforce認定資格を持つプロフェッショナルであり、Golden Hoodieの受賞歴を持ちます。多くのSalesforceコミュニティイベントで講演を行うDreamforce Keynote Speakerである傍ら、Salesforceのクラウド技術でキャリアを積もうとしている退役軍人を支援する組織、Merivisの役員も務めています。