
以前公開した「フィンテック業界における5つの必須スキルとは?」の記事でもご紹介したように、フィンテック業界への転職を成功させるためには、主に以下のスキルが必要とされています。
- 金融規制に関する知識と対応力
- データを集め分析できる能力
- 業界の文化への理解力
- リーダーシップ
- 専門的な知識(キャピタルマーケット、セールストレーディング、投資アドバイスなどに関する知識や経験があればなお良し)
これらのスキルは不変的に必要不可欠なものとされますが、この他にもフィンテック業界において近年ニーズが高まっているスキルもあります。今回はフィンテック業界において、2022年以降更にニーズが高まっている具体的な専門スキルや、その他のソフトスキルについてご紹介します。

こちらの記事では、今後2022年~2023年におけるフィンテック業界のトレンドとさらなる活用が期待されているフィンテックサービスについてご紹介しています。
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1.データサイエンス・機械学習・人工知能(AI)
フィンテック企業では膨大な量のデータを生み出し、それを分析・解釈する必要があります。そこで、データサイエンス、機械学習、人工知能の専門知識が必要となります。これらのスキルは、Rawデータから洞察を経て結論を導き出し、信用リスクのスコアリング、詐欺防止、顧客維持などの現在および将来の傾向を予測するために使用されます。
2.ソフトウェア開発
コーディングができれば、他社に差をつけることができます。フィンテック業界では、アプリケーション、プラットフォーム、ウェブサイトを構築するソフトウェアエンジニアや開発者を常に募集しています。Python、SQL、JavaScript、C++、C#の経験があれば、基本的にITやコンピュータサイエンス関連の学位と同等の価値をがあるとみなされるでしょう。
参考記事
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3.製品管理
製品の質がフィンテック企業の今後を大きく左右するため、ユーザーに愛される革新的な製品を構築するために、高い製品管理力を持つプロダクトマネージャーが必要とされます。製品管理の主なタスクとしては、リサーチに基づく製品アイデアの開発、顧客ニーズを満たすための製品ロードマップの作成、技術チームとの連携によるプロジェクトの円滑な進行と目標達成などが含まれます。
4.サイバーセキュリティ
フィンテック企業は膨大な量の機密データをクラウドに保存しなければならないため、サイバー犯罪者からの攻撃を受けやすくもあります。そのため、サイバーセキュリティの専門知識は、この業界における必須スキルの一つと言え、リスクマネジメントとコンプライアンス、インシデント調査、ガバナンス、セキュリティ運用管理、暗号化手法などに関する知識を持った人材が求められています。これらのサイバーセキュリティに関する知識を学ぶために、OSCPなどの情報セキュリティ関連の資格取得を目指すこともおすすめです。
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5.デジタルマーケティング
提供する製品を一般消費者に販売する際に、需要や顧客ロイヤルティを向上させる必要があります。このために、マーケティングが非常に大きな役割を果たし、近年ではデジタルマーケティング担当者のニーズがより上昇しています。この分野で求められる主なスキルは、ブランディング、SEO(検索エンジン最適化)、コンテンツ作成、オンライン広告、そしてデータを分析する能力や、常に新たなトレンドをキャッチする能力が挙げられます。
6.問題解決能力
規制の問題から技術的な課題まで、フィンテック業界は非常に速いペースで進化しているため、あらゆる種類の予期せぬ驚きに直面します。複雑で時に前例のない障害に対して、創造的な解決策を見出すためには、問題解決能力と、時にはクリティカルシンキング(批判的思考力)が不可欠です。
7.順応性と柔軟性
IT業界などの急成長している業界には、常に変化が伴います。フィンテック業界においても、戦略やアプローチを瞬時に切り替える必要がある場面も多く、新しいことに挑戦するための柔軟性が重要となります。このように、物事を多くの視点から考え、時と場合によってベストなアプローチを導き出し採用するための適応力や柔軟性は、フィンテック企業で働くためには必須のスキルとなります。
8.コミュニケーション能力
フィンテック業界において技術的なITスキルはもちろん重要ですが、それが全てではありません。自分の考えを明確に表現し、チームと協力して重要な問題を解決するために、高いコミュニケーション能力を持つことは大きな武器となります。また、マネージャーやシニアレベルのポジションでは、外部のステークホルダーと接する場面や、インターンやジュニアスタッフの指導をする場面も多々あり、このような場面でも上手くコミュニケーションを図れるかどうかは非常に重要となります。
9.金融業界の知見・経験
フィンテック業界ではどちらかというとIT関連のバックグラウンドを持った人材が多いため、金融業界に対する知見を持つ人は比較的珍しいものとされています。そのため、エンジニアだけでなく、金融業界の知見から企業の戦略や方向性に対する意見を言える人材を採用したいと考える企業も多くあります。例えば、ヘッジファンドやファイナンシャルサービス関連の経験や知識を持つ人材に対しても高い需要が見られます。
また、大手金融企業からベンチャー企業に転職するケースは減少している傾向にあり、フィンテック業界へ転向したいという金融業界経験者は近年更に歓迎されています。また、経済の動向を把握している人材、カスタマージャーニーに詳しい人材も、多くの企業において求められています。

金融からの転職で、フィンテックの人気が高まっている理由とは?
10. リーダーシップ・経営スキル
金利上昇やバリュエーションの低迷を受け、2020年以降、多くのフィンテック企業でより業績評価管理に力を入れ始めています。そのため、CEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)、CTO(最高技術責任者)などのCレベルの経営幹部やデジタルセールスマネージャーなどのポジションの需要が高まっており、テクニカルな知識を持ちながらも高いリーダーシップを持つ人材が多くのフィンテック企業において求められています。
成長業界でのキャリアにご興味をお持ちですか?
ニーズの高まるこれらのスキルセットを補うため、フィンテック業界では2023年以降も様々な職種の採用が活発化することが予想されます。LinkedInによると、2022年以降特にAPAC地域において以下の職種のニーズが高まるとされています。
- データサイエンティスト・データアナリスト
- AI関連職
- ロボアドバイザー関連職
- Wealthtech(ウェルステック)関連職
- サイバーセキュリティ関連職
- ブロックチェーン関連職
- アルゴリズム取引・HFT関連職
- アプリ開発
APAC地域はフィンテック関連サービスのユーザー数が世界の中でも最多を誇る地域であり、今後の業界の成長とそれに伴う更なる採用の活発化が予想されます。高まるニーズに伴い、業界内での経験が必須ではない求人も多いため、今後成長市場でのキャリアを築くには絶好のタイミングでもあります。弊社では、フィンテック分野のエンジニアポジションおよび営業&マーケティングのポジションを専門でカバーするチームを持っており、日本でも最大規模のフィンテック分野に特化したチームを擁しています。フィンテックに関連した最新の求人情報にご興味がおありの方は、以下から求人検索をご覧いただくか、フォームよりお問い合わせください。

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