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国連の「持続可能な開発目標」と「気候変動に関するパリ協定」を実現するためには、年間約5~7兆米ドル(約565~790兆円)のESG投資が必要であると推定されています。テクノロジーにおける俊敏性とイノベーションを重視するフィンテック業界においても、これらの目標達成のための「グリーン・ファイナンス」の規模拡大を支援する企業が増えており、そのための公的および民間の資金を調達する可能性を示唆しています。

本記事では、グリーン・ファイナンスの現状と、この分野において活用される代表的なグリーン・フィンテックの企業やサービスの一例をご紹介します。

 

グリーン・ファイナンスとは?

グリーン・ファイナンスとは、空気や水・土の汚染除去、温室効果ガス排出量削減、エネルギー効率改善、再生可能エネルギー事業への投資など、環境に良い効果を与える投資への資金提供を意味する広範囲の概念です。その主役は債券の「グリーンボンド」で、グリーンボンドの年間発行額は、世界では直近5年で15.3倍、国内でも直近2年で7.17倍という急成長をみせています。

 

グリーン・ファイナンスの現状

これまでのグリーン・ファイナンスは、超国家的な組織や政府や政府機関が国際資本市場で大規模な発行を行うなど、主にトップダウンのアプローチをとってきました。これらの取引は心強いものですが、国連の持続可能な開発目標を達成するために必要な投資レベルは、はるかに多方面からのアプローチやソリューションを必要としています。これに伴いESG(環境・社会・ガバナンス)の基準を財務上の意思決定に組み込むことや、再生可能エネルギープラントやグリーンインフラなどの持続可能なプロジェクトに積極的に資金を提供するなど、持続可能な金融商品やサービスへ投資する機会を窺う投資家も増えています。

国レベルでは、2016年5月に首相を本部長とする「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」が内閣に設置された後も、ESG投資に関する調査研究が継続的に行われています。多くの企業や地方自治体等も地球温暖化対策や再生可能エネルギー導入など国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達する動きを見せており、このために発行する債券グリーンポンドにも再展開の必要性が高まっています。

また、日本の主要な金融機関においてもグリーン・フィナンスへの取り組みを強化しています。一例として、SMBCグループは、2020 ~ 2029年度のグリーン・ファイナンス実行額を10兆円としており、再生可能エネルギー向けプロジェクト・ファイナンスの取り組み実績は、2017年度の約3,000億円から2019年度には約6,400億円に増加しています。また、グリーンボンドを含めたSDGs債の引き受けも積極的に行っています。

 

グリーン・フィンテックとは?

金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた「フィンテック(FinTech)」に「観光保護への貢献」といった要素を加えた「グリーン・フィンテック」が英国を中心に国外で次々と生まれており、このグリーン・ファイナンスを実現させるためのプラットフォームとしても活用されています。

具体的には、ペーパーレスを徹底しプラスチック製のカードや紙の明細を一切やめ、スマートフォンで全ての取引が完結できるモバイル専用銀行口座が代表的な例として挙げられます。またその他にも、ユーザーの消費行動を二酸化炭素排出量に換算するサービスなども登場しており、買い物や消費の内容などご自身のライフスタイルのうちどの部分が気候変動に影響を与えているのか、見える化してくれる役割を持っています。

 

注目のグリーン・フィンテック5選【2021・2022年】

以下の5つのグリーン・フィンテック企業は、社会において様々な用途で利用されるお金を活用することで環境コストの削減や持続可能な社会の実現を達成するという、革新的なコンセプトを持つサービスを提供しています。

 

注目のグリーン・フィンテック①Aspiration

デビットカードを使うたびに、世界のどこかで木が1本植えられる ― この個性的かつ革新的なサービスを提供しているのがAspirationです。Aspirationです。Aspirationは、顧客が環境に永続的な影響を与え続けるための手助けをすることを目標とするチャレンジャー・バンクです。ユーザーが自身の取引を植樹活動の支援に充てることができるサービス(『Plant Your Change』と呼ばれています)や、SDGs活動に取り組む加盟店でのカード利用により、最大5%のキャッシュバックが受けられるなどといったサービスを提供しています。俳優のRobert Downey Jr.氏をはじめとする著名人にも支援されておりは、チャレンジャー・バンクの中でも特に新鮮なグリーン・フィンテックと言えます。

 

注目のグリーン・フィンテック②Trine

企業が成長し成功するためには資本が必要であり、グリーンスタートアップも例外ではありません。スウェーデンのフィンテック企業であるTrineは、ソーラーエネルギー事業を投資家の融資の対象としています。投資家はP2P(検索やメールサービスなどを提供する企業の巨大なサーバーを介さずファイル共有ソフトを利用することで行われる、パソコン間でのファイルのやり取り)のビジネスローンプラットフォームを利用してソーラーエネルギー事業を見つけ、25米ドル(約2850円)から投資することができます。

すでに11,000人以上の投資家が利用しており、発行されたローンのデフォルト率は1.7%と非常に低いことから、今後多くの太陽光発電事業者がTrineの支援を受け、必要な資金を獲得することが期待されています。

 

注目のグリーン・フィンテック③ Joro

Joroは支出分析を利用して、皆様の買い物が二酸化炭素の排出にどの程度影響を与えているか教えてくれます。消費者の行動が地球にどのような影響を与えているのかを理解するのは難しいものですが、Joroは直感的なアプリとPlaidを利用した銀行との連携により、環境意識の高い個人がカードで買い物をする際に、より多くの情報に基づいた選択をすることを支援します。アプリをダウンロードするだけで簡単に利用できる、利便性の高いグリーン・フィンテックのサービスです。

 

注目のグリーン・フィンック④ TreeCard

前述のAspiration同様、植樹活動の支援へ貢献できるサービスを提供するグリーン・フィンテックのTreeCardは、Mastercard初の「木製」デビットカードを発売するため、510万米ドルのシード資金を調達したことでも話題となりました。

コンセプトは簡単で、アプリをダウンロードした後、木のようなカードを注文して既存の口座とリンクさせます。ユーザーがカード利用すると、TreeCardは、インターチェンジ・フィーによる利益の80%を森林再生プロジェクトに寄付します。

1本の木から30万枚以上のカードが生産され、プラスチック製のカードよりも持続可能であることは間違いありません。口コミで広がっていく可能性が高いと期待されているグリーン・フィンテックの一つです。

 

注目のグリーン・フィンテック⑤ Raise Green

ご自身の地域の環境ビジネス(SDGsビジネス)やアクティビティについてご存知でしょうか?Raise Greenを利用することで、これらのエコプロジェクトを発見し、さらには投資してマイクロオーナーシップを得ることが可能です。米国で設立されたこのスタートアップは、IBMとのパートナーシップにより、投資家と地域のクリーンエネルギー関連のスタートアップ企業の両方が取引できるプラットフォーム・マーケットプレイスを構築することに成功しました。

このグリーン・フィンテックには、投資家が自分の投資による具体的なインパクトを知ることができる非常に優れた機能が搭載されています。例えば、皆様の資金がどれだけのクリーンエネルギーの生産に貢献しているかを知ることができます。

 

この他に注目を集めているグリーン・フィンテック関連のサービス・企業例としては以下が挙げられます。

Monzo(モンゾ)― 2016年にクラウドファンディングを通じて、わずか96秒で100万ポンド(約1億5200万円※)を調達したオンライン銀行。デジタル・ネイティブを取り込んだ典型的なビジネスケースで、住所証明なしで口座開設できる手軽さやアプリで完結できる仕組みが人気。

Starling Bank(スターリング銀行)― 2017年にペーパーレスのモバイル専用当座預金口座を導入し、2021年に再生プラスチックを75%使用したデビットカードの配布を始めた銀行。

Tred(トレッド)― 2021年4月に本格始動したアプリ連動型のデビットカード・サービス。

SUGI(スギ)― 個人ユーザーが企業の環境ガス排出量を比較し、より環境に配慮した投資ができる英国初のグリーン投資アプリ。

 

Computer Futuresへご相談ください

Computer FuturesはESGにも全社的に力を入れており、環境保護への貢献という要素も持ち合わせているフィンテック分野全般における企業の成長のサポートを行うことは、当社にとって非常に優先度の高い取り組みの一つです。また、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大によって日本でもキャッシュレス化が大きく進み、今後フィンテックは社会のインフラを担う分野として更なる発展が見込まれています。これにともない、フィンテック分野での採用も増えています。

フィンテック分野でのキャリアに興味があるけれど、自分の経歴で挑戦できるのか、また自分に合っているのかわからない、とお考えの方、Computer Futuresにぜひご相談ください。金融業界での経験を持ち、現在はフィンテック領域に特化した転職サポートを行うチームが、皆様のキャリアゴールを明確にし、最適なご提案をさせていただきます。以下からお気軽に無料相談をお申し込みください。

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