
フィンテックを活用して様々なことをスムーズに行える世界は、もはや未来ではなく現実となりつつあります。Suicaに代表される電子マネーやMoneytreeなどの家計簿アプリ、LINE payをはじめとするQRコード決済アプリなど、意識しないまま日常的にフィンテックの恩恵にあやかっている場合も多いでしょう。フィンテックを活用したソリューションを活用することで、お金のやり取りはよりシンプルに、簡単に、そして透明性の高いものになります。また、銀行口座やスマートフォンを持たない人の方が多いような途上国においても、フィンテックが社会にもたらす影響は計り知れません。以下ではフィンテックが世界に与えるポジティブな影響についてご紹介します。
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銀行口座や身分証明書不要のお金の取引
お金の取引、特に給与など企業と個人とのお金のやり取りにおいては現在でも銀行口座間の送金が圧倒的に主流です。しかし、企業側からすると振込手続きの手間や振込手数料にかかるコストは決して小さなものではありません。そのため、日本においてもPringやLINE payに代表される、企業から従業員やユーザーなどの個人への送金を銀行取引を介すことなく簡単に、そして低コストで行えるサービスを導入する企業が増えています。
現在日本では法令により電子マネーによる報酬や給与の支払いができるのはフリーランスや個人事業主を対象にしたものに限られており、電子マネーでの従業員への賃金の支払いは認められていません。そのため、これらのサービスの利用は現在Eコマースにおける返金や、従業員の経費の精算などが主なものですが、日本政府はキャッシュレス社会推進のために規制を緩和し、デジタルでの給与支払いを解禁する方針を表明しています。
実際、移民や難民の人口が多い国においては、身分証明書がないために銀行口座を持てず、そのために収入を得ることが難しい層がいることも問題となっています。例えばイギリスでは150万人もの銀行口座を持たない人口がいるとされています。銀行ではなくテクノロジーによる金融取引を可能にすることは、これらの層が抱える社会的な不利な現状を打破し、新天地での生活の安定やビジネスの立ち上げを推進することにもつながるでしょう。
今後ますます外国人労働者や在留外国人が増えることが見込まれている日本において、既存の金融システムを補完するものとしてフィンテックを活用したプラットフォームが今後ますます重要な役割を果たすと考えられます。
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ビジネス立ち上げのハードルを下げる
スタートアップを立ち上げる際、初期費用の調達が難しいケースも珍しくありません。また、伝統的な銀行ローンだと実際に融資を受けられるまでに時間がかかる場合も多くあります。そのような際に、J.ScoreやLINE、ドコモなどが提供する新たな形の融資サービスが良い代替手段となるでしょう。これらのサービスではビッグデータやAIを駆使して個人の返済能力を割り出し、それらの情報に基づいて融資可能額や貸付利率が決定されます。これにより、消費者はより透明性が高く手軽で迅速な融資を受けることが可能となります。
世界を見てみると、実業家と投資家を結ぶプラットフォームを提供するFunding Circleが目覚ましい成長を遂げています。Funding Circleはイギリスやアメリカ、オランダ、ドイツなどで投資のための有力なプラットフォームになっており、現在世界中で4, 800億円相当のローンを管理していると言われています。経済の成長やさらなる仕事を生み出すことに貢献しており、世界にポジティブなインパクトを与えているフィンテック企業の一つと言うことができるでしょう。
昔ながらの銀行の時代は終わった?
フィンテックが世界に与えてきた、またこれから与えるであろうポジティブなインパクトには計り知れないものがあります。以上で紹介した例はその中のいくつかの例にすぎません。今後規制緩和に加えセキュリティや顧客体験、取引の透明性の向上などがさらに進めば、銀行なしでもスムーズにお金のやり取り、ひいては起業までもが可能になるかもしれません。
しかし、銀行はその歴史や経験、また膨大な顧客データや古くからの顧客との信頼関係など、新興勢力にはかなわない強固な基盤を築いているのも事実です。イノベーションラボの設置やスタートアップ企業への出資を行うことで、従来の銀行業からの脱却を図る企業も多くみられ、大手銀行や地銀の数々はフィンテック分野においても大きなプレーヤーであり続けることが予測されます。
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