online banking

2021年以降、利用者数が急増しているネット銀行。フィンテックの発展によってインターネットバンキングやスマートフォンアプリを通じた支払い・送金が普及し、多くの人にとって日常の一部となってきています。途上国ではフィンテックによって銀行口座を持たずにスマートフォンのみで資産管理を行うことができるようになった人々も多い中、日本では伝統的に銀行システムが発達しているため、多くのフィンテックサービスが銀行口座との連携を前提として作られています。そのため、フィンテックの発達によって銀行サービスへの需要が減ることはなく、より便利で手軽な銀行サービスの人気が高まっています。

様々な企業がネット銀行のサービス提供を開始するに際して採用も活発に行われており、金融やフィンテック関連サービスでの経験をお持ちの方中心に大規模な募集をしている企業も見られます。フィンテック領域に特化して転職と採用のサポートを行うチームを設けるComputer Futuresでは、採用拡大が見られるネットバンキング領域での動向として、以下の点を中心に当記事でご紹介いたします。

 

ネット銀行とは

通常の銀行とネット銀行の大きな違いとして、「対面で応対可能な店舗を持つかどうか」が挙げられます。また、従来の銀行サービスの場合、口座を開設した場合にキャッシュカードと通帳が発行される場合が多い一方で、ネット銀行での口座開設の場合は通帳がないのが基本であり、取引や残高の明細はオンラインもしくはアプリ上で確認することができます。店舗を持たない一方で、コンビニや提携銀行のATMなどを利用して現金の引き出しをすることはもちろん可能です。

現在では、いわゆるメガバンクと呼ばれる三菱UFJ銀行三井住友銀行みずほ銀行をはじめ、従来型の銀行の多くが24時間365日受付可能なインターネットバンキングサービスやWeb明細など、ネット銀行と同様のサービスを提供していますが、店舗を持たないという意味でのネット銀行の代表としては以下が挙げられます。

 

ネット銀行の利用者数が増えている理由

楽天銀行は2020年の間に口座数が20%増加し、2021年にネット銀行では初めて1000万口座を超えました。PayPay銀行は2021年4月にジャパンネット銀行から名前を変え、500万口座を達成したことを公表しています。また、インターネットを中心としたリサーチ会社であるマイボイスコム株式会社が2021年に実施した調査によると、インターネットバンキングを現在利用していると回答した人の割合は66.0%であり、2018年以降増加傾向にあります。

利用者増加の背景としては、各社が提供する銀行サービスの向上によって利便性が向上したことに加えて、QRコード決済などを中心としたオンライン決済の普及によって資産管理をオンラインで行うことへのハードルが下がったこと、また新型コロナウイルス感染症をきっかけとして店舗へ足を運ぶことなく取引が完結できる銀行サービスへの需要が高まったことなど、社会的な要因も挙げられます。

 

ネット銀行を利用するメリット

上述のように、利用者の増加にはネット銀行を活用することのメリットの数々が大きく寄与しています。インターネットバンキングを利用するメリットとしては

  • 振り込みや引き出しの手数料がかからない
  • 24時間操作が可能
  • 取引履歴やログインの履歴がオンラインやメールで確認できて記帳の必要がない

などが挙げられるのに加え、ネット銀行ならでは主な利点としては

  • 店舗を持たない分、従来の銀行に比べて金利が高い傾向にある
  • 系列企業の他のサービスを利用する際にポイント還元などが受けられる

といった点が挙げられます。

一方で企業にとっては、ネット銀行サービスを提供することでビジネスにとって安定的な資金源を確保できることに加え、既存の顧客データを活用し、証券や保険など、基本的な銀行サービスの枠組みを超えた提案を行うことで自社の“経済圏”に取り込み、顧客とのタッチポイントやエンゲージメントを高めることができるといったメリットがあります。

 

採用動向に与える影響―需要の高い職種や転職先としての魅力は?

ネット銀行の台頭に加え、既存の銀行もDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組み利便性の高いインターネットバンキングサービスを提供しており、各企業が顧客獲得のためにしのぎを削っています。

中でも利便性の高いUI(ユーザーインターフェース)は他社との差別化を図るために欠かせない要素であり、Web開発担当者(フロントエンドエンジニア)iOS・AndroidエンジニアUI/UXデザイナーをはじめとする開発関連ポジションで需要が高まっています。また、サービスの要となるシステム開発に携わることのできるインフラエンジニアの求人も数多く見受けられます。

一方エンジニア以外の職種としては、新規事業を進めていくことのできる事業開発・推進担当者や、マーケティングの中でも戦略プランニングなどの上流工程(アップストリームマーケティング)の経験者や、プロダクトマネージャーへの需要が高まっています。

ネット銀行事業を展開する企業の多くは、従来の銀行業や他業種ですでに成功を収めており、強固なビジネス基盤を持っています。一方でネット銀行分野への参入は新たな事業であり、強い後ろ盾を持ちながらも、スタートアップ企業のようなスピード感を持って働くことのできる環境に身を置くことが可能です。また、規制関連でも日々様々なアップデートがあり、刺激の多い環境で自らのスキルを高めることができるでしょう。今後、インターネットバンキングサービスを含むフィンテックは革新的なサービスの枠組みを超え、社会インフラとして業界の成長が続くことは想像するに難くありません。

Computer Futuresでは大手日系企業から日本市場での立ち上げフェーズにある新進気鋭のスタートアップ企業まで、業界トップレベルの求人情報を日々ご紹介しております。ネット銀行やデジタル決済をはじめとするフィンテック領域への転職にご興味をお持ちでしたら、以下から最新の求人をご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。

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