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保険(Insurance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた、人工知能を活用した新たな保険サービスやその取り組みを総称してインシュアテックと呼びます。現在多くの業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要とされていますが、これは保険業界でも同様であり、従来のビジネスモデルに頼らずインシュアテックを取り入れなければ生き残っていくことは難しいとも言われています

今回の記事では、インシュアテックの代表的な事例や企業、注目の職種についてご紹介します。

 

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フィンテック活用例 - 私たちの生活にもたらすメリットとは?

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インシュアテック(InsurTech)とは?

インシュアテックとは保険(Insurance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた用語です。金融(Finance)とテクノロジーを掛け合わせた用語であるフィンテックの保険版であり、保険会社の業務にテクノロジーを取り入れたものを指します。日本国内では2015年頃に注目され始めたインシュアテックですが、多くの保険会社では未だテクノロジーの導入を恐れる傾向にあり、インシュアテックの市場規模が拡大し始めたのもここ数年です。2021年に矢野経済研究所が発行した「生命保険領域における国内InsurTech市場に関する調査」では、2017年度には600億円程度であったインシュアテックの市場規模は、2023年には2800億円程度にまで達することが予測されています。これに伴い、インシュアテック業界におけるポジションのニーズも高まっています(記事の後半では、具体的なポジションについて詳しくご紹介しております)。

 

インシュアテックの事例と企業例

ここからは、主なインシュアテックの種類と、それらのサービスを提供する企業の代表例をご紹介します。

 

テレマティクス保険

テレマティクスとは、通信を意味するテレコミュニケーションとインフォマティクス(情報工学)を掛け合わせた造語で、自動車などの移動体に通信システムを取り入れリアルタイムで情報サービスを提供するものを指します。

これを活用したテレマティクス保険の代表例として、自動車の保険料鑑定システムが挙げられます。自動車に端末を取り付け、走行距離や運転速度、ブレーキのかけ方などの運転情報を保険会社が取得し、その情報をもとに運転者の事故リスクを分析することで、適切な保険料を鑑定することが可能となります

 

企業例:イーデザイン損保保険株式会社

 

オンラインで決算完結の保険

以下の保険は、申込手続や事務負荷を削減するペーパーレス化など、テクノロジーの活用が浸透され始めている、インシュアテックの代表例として挙げられます。

 

マイクロ保険

マイクロ保険は、補償対象が限定されているオンライン保険のことです。東南アジア各国を対象にした国際保険振興会(FALIA)の調査結果(フィリピン、インドネシア等)によると、マイクロ保険は単価が小さく低マージン、シンプルな商品と定義され、直近では国内外において、特にコスト削減のための引受の簡素化やモバイルの活用により固定比率を下げる動きが加速しています。

 

企業例:MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社

 

オンデマンド保険

オンデマンド保険とは、携帯品や家財など保険をかけたい物に、手軽にオンラインで短期間かけることが出来る保険のことを指します。具体的には、1日レジャー保険、旅行保険、ワランティー保険、1日自動車保険などの例があります。基本的に窓口に訪問する必要がなく、オンラインでどこでも手軽に契約ができ、スマートフォンやパソコン、タブレットやカメラ、ポータブルゲーム機などの高価な精密機器を対象とした保険を中心に需要の高まっているインシュアテックの一つです。

 

企業例:東京海上日動火災保険株式会社

 

P2P(割り勘)保険

P2P(Peer-to-peer)保険は別名割り勘保険とも呼ばれるグループ加入型保険です。民泊やカーシェアなどに代表例されるシェアリングエコノミーの概念を保険にも適用したものと考えられます。知り合い同士で加入することで、加入者の誰かに保険金支払いが生じた月にのみ、加入者全員で保険金を割り勘するという、お得な仕組みとなっています。言い換えれば、加入者全員が健康であれば、保険金を支払わずに済む月があるということになります。

現在国内で販売されているP2P保険は、国が運営しているサンドボックス制度を利用した実験的運用段階であるため、仮に今後の運用中止が決定した場合販売できなくなる可能性があります。とにかく保険料を抑えたい人、新しい保険を試してみたい人などにおすすめの保険です。

 

企業例:株式会社JustinCase

 

インシュアテック関連の注目職種

ここからは、インシュアテック分野の成長に伴いニーズが高まっている、注目職種について必要なスキルと共にご紹介します。

 

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、データベースサーバーやアプリケーションサーバー、ファイルサーバーなど、ITシステムを構築するサーバー群の構築業務と保守業務を主に担います。インシュアテック分野では、顧客情報や事故情報などのビックデータを扱うサーバーの構築や運用・管理などの役割を果たしています。

サーバーエンジニアになるための必須資格はありませんが、Oracle Master(オラクルマスター)や、IPA情報処理技術者試験、情報処理安全確保支援士、シスコ技術者認定のCCNA、CCNPそしてLinux技術者認定指定のLPICやLinuCなどを取得し即戦力として活躍できることを示すことで、転職に有利に働きます。また、一般的にサーバー領域への深い知識やスキルが求められます。

 

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セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアとは、主に情報セキュリティを考慮したシステムの設計や運用管理を行うエンジニア職です。新たなシステムの構築だけでなくサイバー攻撃を未然に防ぐために調査やセキュリティを向上させるための既存システムの改善なども行います。

インシュアテックでは、顧客の個人データをAIで分析し、保険商品のパーソナライズや保険料のキャッシュバックを行っているため、情報セキュリティやプライバシー保護や特に慎重になる必要があり、そのためのセキュリティエンジニアのニーズが高まっています。

セキュリティエンジニアになるために必要なスキルとして、情報セキュリティマネジメント、ネットワークインフラセキュリティ、アプリケーションセキュリティなど16の分野における技術・知識がしばしば挙げられます。情報処理推進機構(IPA)が掲げるこれらの情報セキュリティに携わる人材が備えるべき16の技術・知識については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

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AI・機械学習エンジニア

AI(人工知能)の開発を行うエンジニアをAIエンジニア、機械学習技術の開発を行うエンジニアを機械学習エンジニアと呼びます。インシュアテック分野では、ウェアラブル端末やドライブレコーダーなどのデバイスを通じて取得した情報をAIで分析することで、自動車の運転情報と事故の発生確率、人の活動情報と疾病の発症確立などの相関関係を導き出すことができます。

AI・機械学習エンジニアへのキャリアアップを目指す場合、数学、特に統計学、確率論、線形代数の知識が必須となります。資格は取得必須ではありませんが、統計検定2級を取ることで就職や転職の際に有利になるでしょう。また、機械学習やディープラーニングの知識、コミュニケーションスキルも必要となります。

 

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AWSエンジニア

Amazonが提供するクラウドサービス「AWS(Amazon Web Service)」を扱うエンジニアのことを指し、主にAWS環境のサーバー設計、インフラ構築、保守運用作業などを行います。インシュアテック分野においても、近年、インフラの構築環境を従来のオンプレのシステムから柔軟で拡張性の高いAWSのシステムに刷新している企業が多いため、AWSエンジニアの重要性が高まっています。

AWSエンジニアとして働くために必須の資格はありませんが、AWS認定資格の取得が推奨されており、そのためにクラウドコンピューティングサービスについての技術や知識を身に着ける必要があります。AWS認定資格には代表的なものにAWS認定クラウドプラクティショナーAWS認定ソリューションアーキテクト、AWSデベロッパーの資格があり、どれもAWSが公式で認定していることもあり、非常に信用度の高い資格として多くの企業から採用の際に重視されています。

 

インシュアテック|まとめ

これから日本国内でもより浸透していくことが見込まれるインシュアテック。従来の保険企業からスタートアップ企業まで多くの企業が参入を始めており、転職先としてもフィンテック業界の中でも特に将来性が期待できる分野の一つです。

新しい業界でのスキルアップを目指している方や、今注目のフィンテック業界で働きたいとお考えの方は、インシュアテック分野を転職先として検討してみてはいかがでしょうか?インシュアテックを含むフィンテック業界への転職をお考えの方は、ぜひ以下のフォームからご希望の条件などをご相談ください。Computer Futuresの最新の求人情報をご覧になりたい場合は、以下のボタンから求人検索をご利用いただけます。

 

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