
IT・テクノロジー業界の急激な成長に伴い、コーディングのスキルを身に着け、Webデザイナーやコーダーへのキャリア転身をしたいと考える方も多く見られます。実際にWebデザイナーやコーダーはプログラミングと比べても未経験が受け入れられやすく、プログラマーになるための入口としてもおすすめの職種です。
今回は、コーディングを一から独学で学び、転職に役立てるための学習のポイントや、おすすめのオンライン教材について詳しく解説します。
お役立ち情報に戻る プログラミングを独学で学んでキャリアに生かす方法とは?
こちらの記事では、JaveやPython、C#をはじめとする、アプリ開発やAI(人工知能)開発のために必要なプログラミング言語の習得法について、詳しく解説しています。
コーディングに必要なHTML、CSS、JavaScriptとは
コーディングを行うにあたり、HTML、CSSの二つの言語の習得が必要となり、更にJavaScriptを学ぶことで、Webサイトに動きをつけることが可能となります。HTML、CSS、JavaScriptの主な違いは以下となります。
HTML
HTMLは、HyperText Markup Languageの略称で、ウェブサイトを作成するために開発されました。具体的には、Webページ上で必要な以下のような要素をHTMLを用いて指定することができます。
- タイトル名
- Webページのレイアウト
- 見出し
- 画像の指定
- リンクの指定
CSS
CSSはHTMLとしばしば混同されやすいですが、こちらはCascading Style Sheetsの略称で、HTMLで記述した要素に対して装飾を施すための言語と言えます。CSSでは、以下の要素を指定することが可能です。
- Webページのレイアウト
- 本文の文字色
- 見出しの文字色
- 背景色
- 様々なメニューの作成
HTMLで骨組みを作り、CSSで装飾を施すといったイメージと言えます。
JavaScript
JavaScriptは、HTMLとCSSを利用して作ったWebサイトに動きをつけるためのプログラミング言語です。例えば、Webサイトを開いた際に見かける、横から画像がスライドしてくる動きや、画像が切り替わるような動きはJavaScriptを学ぶことでつけることが可能となります。
コーディングのスキルを活かせる職種
コーディングの知識とスキルを身に着けることで、将来的に以下のような職種へのキャリアアップが可能となります。
- コーダー
- Webデザイナー
- フロントエンジニア
- バックエンドエンジニア
- アプリ開発
- システム開発
コーディングのスキルを転職に役立てるために
前述したHTML、CSS、そしてJavaScriptのコーディングスキルを学び、次のキャリアで役立てたいと考える方も多いでしょう。ここからは、コーディングを転職で役立てるためのヒントをご紹介します。
1.具体的な目標を決める
コーディングの勉強をしたいと思う理由は人それぞれです。キャリアアップのためである場合は特に、短期間でコーディングをマスターし、可能な限り早く転職を成功させたいものです。具体的な目標をつくることで学習期間もモチベーションを保ち、よりスムーズな転職を達成しましょう。
2.効率の良い学習法で勉強を進める
初めてコーディングの学習を行う場合、正しい勉強のプロセスが分からないと悩む方も多いかと思います。ここからは、短期間でコーディングを習得し、今後のキャリアアップに役立てるまでのおすすめのプロセスをご紹介します。
学習の大まかな流れは以下の通りです。
① 動画・本でのインプットとアウトプットを組み合わせた学習法
② 個人でサイトを作成し始める
③ 実装案件に携わる
④ JavaScriptの基礎を固める
⑤ ポートフォリオサイトを完成させる
コーディングの勉強にかかる期間としては、もちろん個人差はありますが、実際に個人のポートフォリオサイトを作成できるまでのスキルを身に着けられるまでに、約半年程度かかるとみておくと良いでしょう。
以下、それぞれのステップについて詳しく解説します。
① インプットで全体像を確認し、模写によるアウトプットを始める
まず、コーディングの独学を始めた直後はインプット(動画や本での学習)が主になるかと思いますが、ある程度全体像がつかめたらバランス良くアウトプット(実際に手を動かしながらの学習)を組み合わせていくことが大切です。
インプットについては、Progateやドットインストールなどの無料コーディング学習教材を流し見ながら、短期間で効率良く全体を把握しましょう。おすすめのコーディング学習サイトは、こちらの記事や、この記事の後半で詳しくご紹介しています。
その後、実際に手を動かしながら制作物を作るアウトプットを始めることになります。コーディング初心者にはトレース(模写)といった練習法がおすすめで、自分好みのWebサイトを見つけ模写することで、Webサイトがどのように構成されているのかの理解を深めながら、自身のコーディングスキルを高めることができます。
ちなみにこの模写による学習法では、
・他のコーダーのコードを学べる
・使えるメソッドの幅が広がり、コーディングが早くなる
・デベロッパーツールの使い方を学べる
などといったメリットが期待できます。このことから、コーディングに必要な基本的なスキルを効率的に向上させることができます。また、模写を繰り返すことで好きなサイトがどのように作成されているのか、インデントを揃えるなどの複雑なコードを書かないための工夫の仕方を学ぶことができます。
模写を始めた直後は、初めから完璧な模写をすることは難しいので、まずはパーツごとの模写を完成させることをゴールとし、動きやスライドはある程度慣れてから取り組むようにしましょう。コーディングが上達するためには何よりたくさんのコードを書くことが大切なので、内容があまり分からない独学初期段階においても、多くのソースコードを模写し、実際に手を動かしながら法則性やルールを学んでいくことが重要です。
また、慣れてきたらページのHTML/CSSを確認せずに同じものを作る、目コピでの模写に挑戦してみましょう。
② 個人でサイトやアプリを作成する【4カ月目~】
コーディングの最終的な目標は、自分の手で一からサイトやアプリを作ることのできるだけのスキルを身に着けることです。ある程度HTMLやCSSの基本的なコーディングの要領が掴めたら、実際に個人でのサイトやアプリの作成に取り組んでみましょう。実際にサイトやアプリがうまく動作するか確認しながら作成を進めることで、講座や本などでは学べないイレギュラーなケースへも対応できるようになるでしょう。
③ LPの実装案件に携わる【4カ月目~】
ある程度個人でのサイト作成により上達していると感じ始めたら、次は実装案件に取り組みましょう。クラウドソーシングを活用して仕事をすることや、会社でコーディングを行うことも実務経験として転職の際にアピールすることもできますし、何より実務案件で様々な課題にぶつかりながらそれらを解決していく中でコーディングのスキルをより高めることが出来ます。
小規模案件も多いため、数をこなしながら実績を上げることで経験値も上がり自身に繋がりますし、自分が書いたコードを他人にチェックしてもらい問題点をしてもらう機会を得ることもできます。
④ JavaScriptの基礎を固める【5カ月目~】
前述の通り、JavaScriptはHTMLとCSSで作ったWebサイトに動きをつける役割を果たします。このJavaScriptを攻略するためにも、HTMLやCSSと同様にまずオンライン教材や本などでインプットを行い、その後模写などのアウトプットにより実際に手を動かしながら学習を進めましょう。
近年ではjQuery(ジェイクエリー)と呼ばれるフレームワークがJavaScript用のライブラリに導入され、JavaScriptの記述がよりシンプルに、簡単に行えるようになりました。後述するポートフォリオサイトの作成の際に、よりクリエイティブでカッコ良いウェブサイトを作成するためにも、jQueryも勉強しておきましょう。ProgateやドットインストールなどのWeb学習サービスでは、HTMLやCSSに加え、JavaScriptやjQueryの学習も行うことができます。
⑤ ポートフォリオサイトを作成する
未経験でコーディングを学び、転職でそのスキルを活かすためには、自身のスキルを証明するためのポートフォリオサイトの作成が非常に重要です。ポートフォリオサイトの目的としては、応募先の企業に対して自分のアピールポイントを見せることですが、今後フリーランス転向を考えている方にとっても、このポートフォリオサイトをクライアントに見せることで実績を提示することができるため、ここで土台を作り、転職後は常にアップデートしていくことをおすすめします。
ポートフォリオサイトには、基本的に以下の項目を載せましょう。
- 自己紹介(学歴・資格・職歴など)
- 作品紹介(作品説明・工夫した点やフィードバックなど)
- 使用できる言語やツールと使用歴
- 連絡先(メールアドレス・SNSアカウントなど)
転職することを目的としてポートフォリオサイトを作成する場合、見る人(顧客)を意識して作ることが評価されるためのポイントとなります。例えば、行きたいWeb制作会社がある場合は、その会社の作るサイトの特徴や仕様を見極め、ポートフォリオサイトはその点を意識したものを作成すると良いでしょう。
3.ミスやエラーをメモしながら勉強する
たった一箇所ミスをしただけでもエラーになるのがコーディングです。そのため、コーディングの際には極力ミスやエラーを避けなければなりませんが、学習時は自分が犯したミスを逐一メモしておくことで、それらのミスやエラーがより記憶に残りやすくなりますし、自分独自のミスの傾向を突き止められるかもしれません。エラーの原因が突き止められない場合は、学習サイトなどの先輩プログラマーへの質問ページを活用すると良いでしょう。
4.分からない部分は、コーディング講座・勉強会に参加するなどして解決するのも手
コーディングは独学で学ぶことが出来る部分がある一方で、どうしても解決できない問題に直面する可能性もあります。その場合、コーディング講座や勉強会、オンラインコミュニティなどに参加し、誰かに解説してもらうこと、そして客観的に自分のスキルを判断してもらうことで、効率的にコーディングを学ぶことのできる機会を設けると良いでしょう。また、これらの環境では、コーディングについて相談・レビューできるだけでなくキャリア相談できる、そして同じ目標を持つ仲間を持つことでモチベーションを保ちやすいといったメリットもあります。
コーディング勉強に関するよくある質問
ここからは、コーディングの勉強に関するよくある質問とその回答をご紹介します。
コーディングの勉強に必要なものは?
次に、プログラミングに必要なものを揃えましょう。必要なものは至ってシンプルで、パソコンなどとWi-Fiなどのインターネット環境があればすぐに学習を始められます。また、オンライン学習サイトや動画、本なども、ご自身に合ったものを揃えましょう。
コーディングの勉強で必要なもの
- 開発環境(パソコン・Wi-Fiなどのインターネット環境)
- 本や、ウェブサイト・動画などのオンライン学習環境
OSに関しては、WindowsとMacがしばしば比較されますが、コーディングの勉強にはどちらでも問題ありません。ただ、初心者でも直感的に操作できる点、プログラミング向けのサードパーティーのツールが豊富な点から、初心者にはMacがおすすめと言えるかもしれません。
コーディングの勉強で役立つオンライン学習サイト・コースは?
初めてコーディングの勉強に取り組む場合、以下のようなオンライン学習サイトやコースを活用することがおすすめです。ウェブ上には、様々なオンライン学習コンテンツがあり、どれを選ぶべきか悩まれる方も多いかと思います。以下、レビューの高いものをピックアップしましたので、是非ご自身に合ったものを活用してみてください。
オススメのオンラインコース
Webデザイナーになりたい。どの程度のコーディングスキルが求められる?
Webデザイナーを目指す方の中には、コーディングをどの程度まで勉強するべきか悩まれる方も多いかと思います。これは、所属する会社でデザインとコーディングが完全分業制にされているか、もしくはデザイナーがコーディングまで担当するかにもよりますが、スキルとして持っておくに越したことはありません。理由としては、エンジニアとのやり取りの際に認識の違いですれ違いが起きる可能性や、知識がないことにより可変に弱いデザインになる可能性が考えられるためです。
また、サイトの動きやUI/UXについて考える時にもコーディングの知識が非常に役立ちますし、表現の幅も広がるでしょう。ある程度HTMLとCSSを理解し、レスポンシブの概念も理解しているという状態まで知識を深められると良いでしょう。
コーディング勉強|まとめ
前述の通り、コーディングを学んでWebデザインや、アプリ開発、システム開発に必要な技術を身に着けることで、今後のキャリアの幅が広がります。必要なコーディングスキルのレベルには応募する企業やポジションによっても左右しますので、もし現在気になっている案件がある場合、まずは転職エージェントに相談してみることをおすすめします。
Computer FuturesでもWebデザインやアプリ開発、システム開発関連の職種を多数扱っており、ご要望に合わせて転職先のご紹介やキャリアパスについてのアドバイスなど、皆様の転職活動のサポートをいたします。ご興味がございましたら、以下のフォームよりお気軽にお問合せくださいませ。