プログラミング 独学

近年、テクノロジーの著しい進化に伴いプログラマーの需要が高まっています。そのため、独学でプログラミングを習得してキャリアアップを目指す方も多く見られるようになりました。

今回は、プログラミング初心者が独学でプログラミングを習得するために知っておくべきポイントや、学習のステップを「アプリ開発」「ウェブサイト作成」「AI(人工知能)開発」の3つのカテゴリーに分けて徹底解説します。記事内ではプログラミング学習に役立つウェブサイトや本もご紹介しておりますので、是非これらも参考にプログラミング学習を始めてみてください。

 

プログラミングを学ぶことで、データサイエンティストやデータアナリストを目指すこともできます。こちらの給与ガイドでは、これらの職種における給与相場をご覧いただけます。

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そもそも独学でプログラミングを習得できる?

プログラミングは、未経験でも独学で習得することが可能です。一見、プログラミングの独学は難しいのではないかと思われがちですが、近年はインターネット上にも未経験でもプログラミングが学べるサイトや動画、そして開発環境なども多く存在します。

プログラミングを独学で学ぶメリットとしては、スキル取得にかかる費用が安いこと、そして自分のペースで学べることが挙げられます。一方、独学の場合、「学習手順や環境構築でつまずく」「自分の成長具合がわからず不安になる」「何度もつまずくので自信がなくなる」などの理由から9割以上が挫折してしまうと言われており、これが大きなデメリットであるとも言えます。独学の成功率を上げるためにも、実際に勉強を始める前に知っておくべき事項がいくつか存在します。

 

プログラミングを独学する前にするべきこと

 

プログラミングの独学にかかる時間を知る

現役エンジニアがエンジニアになるまでにかかった時間と期間を調べた調査によると、独学で勉強した場合、一日あたりの平均学習時間は3時間30分、平均学習期間18.3か月という結果となりました。プログラミングスクールに通った場合、一日あたりの平均学習時間は4時間24分、平均学習期間が17か月という結果が出ており、どちらにせよ長期間の学習が必要になるということをまずは理解しておく必要があるでしょう。

 

プログラミング独学のために必要なものを知る

プログラミングの独学に必要なものは至ってシンプルです。パソコンとWi-Fiなどのインターネット環境さえあれば直ぐに学習を始められます。OSに関しては、WindowsとMacがしばしば比較されますが、プログラミングの独学にはMacがオススメです。理由としては、初心者でも直感的に操作できる点、プログラミング向けのサードパーティーのツールが豊富な点、またApply製品向けのアプリが開発できる点が挙げられます。また、仮想環境であればWindows製品向けのアプリを開発することもできます。

ただ、Windowsでも十分プログラミングの独学を始めることができるので、既にWindowsのパソコンをお持ちの場合、無理をしてMacを購入する必要はありません。

 

プログラミングを学ぶ目的や目標を明確にする

プログラミングの独学の際、目標をイメージしながら学習に取り組むことでロードマップが明確になり、学習効果が大幅に上がります。また、学習のモチベーションが低下した時に目標を再確認することで再び学習意欲が高まるというメリットもあります。目標は「〇〇のようなアプリを作りたい」などの具体的なものを設定するようにしましょう。

もし作りたいものや具体的な目標がまだはっきりとしていない場合、まずは比較的短い学習期間で開発できるアプリをつくってみることがおすすめです。ToDoアプリや電卓アプリの開発を短期的な目標として設定し、これらを達成した後また次の目標を設定するとアプローチも良いでしょう。

 

プログラミング独学のステップ【初心者向け】

 

① プログラミング言語を決める

プログラミングを習得したい目的や達成したい目標は明確であったとしても、学ぶべきプログラミング言語選びに迷っている方もいることと思います。一からプログラミングを学びたい初心者は、どのような言語を学べば効率良く開発を進められるのでしょうか?

 

一般的に初心者に優しいプログラミング言語として、以下が挙げられます。

  • Androidアプリ開発―JavaKotlin
  • iOSアプリ―Swift
  • デスクトップアプリ開発―C#
  • Web開発―RudyPHP
  • AI(人工知能)開発―PythonR

 

プログラミング

こちらの記事では、おすすめの習得するべきプログラミング言語を8つと、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しくご紹介おります。ご自身に合ったプログラミング言語を見つけるための参考にしてみてください。

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② 環境構築とツールの使い方を学ぶ

プログラミングにおける環境構築とは、プログラミングに必要不可欠な開発環境を準備することです。この開発環境は、プログラミングに必要なツールや道具のことで、ハードウェアの環境とソフトウェアの環境の二つに分類されます。ハードウェアの環境はプログラミングに必要なパソコンなどの作業用環境と動作確認用環境が当てはまり、もちろんこの二つは同じ機器でも構いません。

ソフトウェアの開発環境は、パソコン上でプログラムの作成のために必要なソフトウェアや、実行するためのソフトウェアなど、ハードウェアの環境上で動くソフトウェアをまとめたものです。例えば、IDE(総合開発環境)と呼ばれるソフトウェア開発に必要なツールが揃ったソフトウェアがあり、プログラムの作成はもちろん、実行やデバッグ(プログラム動作の誤りの修正)もこれ一つで可能となります。

 

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③ プログラミング学習を始める

開発環境の準備とツールの使い方を一通り学んだら、実際にプログラミング言語を学び始めましょう。効率的にプログラミング学習を進めるコツとしては、何か一つ新しいことを学んだら、まずはそれを使って一つ簡単なプログラムを作ってみることです。また、プログラミングの学習では一度に覚えようとするよりも、大枠を理解しながら復習を繰り返すことが大切です。「自分で書いたコードがどうしてこのように動くかは分からないけれど、とりあえずコードが正常に実行できる」という状態であれば、どんどん次に進むようにしましょう。Webアプリケーションやシステムを開発する場合には、あらかじめ必要な機能が用意されたシステムを活用しましょう。

ここまでのステップはどのような目的であれ共通していますが、この後何を開発したいのかによって、プログラミングを習得するための手段は異なります。ここからは、プログラミングを独学で学ぶためのステップを、「Webサイト作成」「アプリ開発」「統計(AI」に分けて解説していきます。

 

【Webサイト作成を目指す場合】

④ 既存のWebサイトを模写する

ある程度プログラミングスキルが身についてきたら、既に存在するWebサイトを模写してみましょう。これにより、HTMLやCSSのコーディングの流れを理解できるだけでなく、それぞれ実装する際のルールや設定方法を確認することができます。また、エラーが起きた際も、見本があることで何が間違っているのかを直ぐに理解することができ、効率的に学習を進めることができます。

 

⑤ ポートフォリオを作成する

既存のWebサイトを模写しWebサイトの作り方が分かってきたところで、ポートフォリオの作成に取り組みましょう。ポートフォリオとは、プログラミングにより自分で作った作品を並べた、プログラミングスキルを証明するための資料のことを指します。ポートフォリオを作成するメリットとして、就職や転職の際に企業に対してのプレゼン資料となること、書類選考で優遇される可能性が高いこと、技術力の担保となることが挙げられます。

未経験でエンジニアを目指す場合、ポートフォリオ上で以下のポイントが表現できているのかに意識してポートフォリオを作成すると良いでしょう。

  • 0からどの程度の作品を作ることができるのか
  • コーディング技術があるか

もし今までにプロジェクトに参加した経験のある場合、そのプロジェクト内で携わったサービスやアプリについて、またそれらのサービスやアプリのユーザー数などをポートフォリオの内容に含むと良いでしょう。

 

 

【アプリ開発を目指す場合】

④ フレームワークの概念を理解する

プログラミングのフレームワークとは、「Webアプリケーションやシステム開発するために必要な機能があらかじめ用意された枠組み」のことを指します。プログラミングではフレームワークを活用することで作業が効率化でき、多くのサービス開発を行う会社もフレームワークを使用して開発しているのが実情です。フレームワークにはたくさん種類があり、使用するプログラミング言語によってフレームワークも異なるので、ご自身の目的にあったものを選びましょう。

フレームワークを選ぶポイントとしては、

  1. 必要な機能があるか
  2. 学習コストが高くないか
  3. 実績があるか (実績を持つ有名なフレームワークは、対応できるエンジニアが多く開発やメンテナンスがしやすいといったメリットがあります)。

が挙げられます。

フレームワークの使い方を理解することは、プログラミング言語を習得するよりも難しいとも言われています。しかし、フレームワークを使うことでユーザー機能やいいね機能、データベースや文字制限など、様々な機能を導入させることができ、プロダクトを作る楽しさを感じられるステップとも言えるので、是非ここを頑張って次のステップへ進みましょう。

⑤ 自分でプロダクトを作ってみる

ある程度プログラミング言語やフレームワークの使い方を理解できたら、SNSなど、実際にアプリを制作してみましょう。ここの過程で今までに出てこなかったコードを使う機会も出てくるかと思いますが、インプットを繰り返すことで今後開発できる幅が広がっていきます。

 

 

【統計・AI開発を目指す場合】

④ 回帰分析の概念を理解する

ここからは、Pythonの学習を前提として統計・AI開発の勉強法を解説していきます。回帰分析とは物事の相関関係を求めるための数式のことを指し、統計やAI開発を独学で学ぶ場合、コーディングの前にこの数式の概念を理解する必要があります。おすすめの勉強法としては、オンライン講座・YouTube動画・本といったアプローチ法があります。

 

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⑤ データ処理の学習

Pythonの基本を学んだ後は、データ処理に進みましょう。データ処理は、AIを用いてデータ分析をする前にそのデータを調査・整形するプロセスです。これがAIを開発する際に最も重要かつ時間のかかる工程ですが、開発者の技量や個性の出るところでもあります。

データ処理のおすすめのライブラリとしては、NumPy、Pandas、matplotlibがあり、以下のようなオンラインチュートリアルより、初心者でも独学で習得することが可能です。

  1. NumPy入門 ― ディープラーニング入門: Chainerチュートリアル
  2. Pandas入門 ― ディープラーニング入門: Chainerチュートリアル
  3. Matplotlib入門 ― ディープラーニング入門: Chainerチュートリアル

 

⑥ 機械学習・ディープラーニングの実装

データ処理の学習が一通り終わったら、いよいよAIを用いた分析(機械学習)へと進みます。機械学習やディープラーニング(機械学習法の一種)のコードを作ることを「モデルを作成する」と言い、AI開発では、基本的にデータ処理をしてAIモデルを作成し、そのモデルの精度が悪い場合は原因を分析してデータ処理をやり直すといった工程を繰り返すことになります。

AIを使用した分析、特に複雑なディープラーニングを動かすためには高精度なGPUを搭載したパソコンが必要となります。Google Collaboratoryを利用することで、Googleが所有しているGPUに無料でアクセスすることが可能です。

 

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PythonによるAI開発を一通り理解したならば、統計や数学といったAIの理論的な部分に目を向けることでさらに理解が深まるでしょう。

 

 

プログラミング独学の効率を上げる4つのポイント

 

1. 暗記しない

プログラミング初心者の方にとって、いきなりプログラミングを完璧に暗記しようとすると、学習に時間がかかり成果を出すまでに挫折する可能性が高まります。まずは、コードを確認しながらサクサクと学習を進めていくことが、プログラミング独学のコツと言えます。

 

2. 疑問を解消できる環境を作る

プログラミングの独学を初めて最初のうちは、なぜエラーが起きているのか分からないといった場面が必ず出てきます。自分でエラーを解決することも非常に大切ですが、長時間つまずいて学習を止めてしまう可能性があるのであれば、まずは周りの人に頼ってみることを考えましょう。スクールに入ることも一つの手ですが、StackoverflowConnpassなど、エンジニアのための質問の場や勉強会の機会を提供しているサイトを活用し、学習コミュニティ等への参加を通じて積極的に現役エンジニアやプログラマーとの繋がりを作っていくこともおすすめです。

 

3. 小さなものから作っていく

プログラミング言語の基礎を学んだら、実際にプログラムを作っていくことになりますが、その際はいきなり大きなものを作ろうとせず、すぐに完成できる小さなものを選ぶのがポイントです。最初から大きなものを作り始めると、なかなか完成しないことでモチベーションが下がってしまうことも考えられます。

 

4. 一通り理解が深まったら、試しに誰かに教えてみる

プログラミングや機械学習(AI開発の場合)を学んだら、友人などに教えることで理解を深めることをおすすめします。イベントやセミナーを計画しても良いでしょうし、Zoomやカフェなどで友人にマンツーマンレッスンを行っても良いでしょう。また、教える以外にもブログ記事や本を書くという手もあります。AI Academyでも受講生の交流会やLT会も開催されており、人前で教えることのできる機会も用意されているので、是非活用してみることをおすすめします。

 

 

プログラミング独学 ― まとめ

近年、独学でプログラミングを学び、未経験からIT業界への転職を目指す方が多く見られます。現在、市場規模の拡大に伴い人材確保が急務となっているIT業界では、未経験から採用を行う企業も多く、転職するには絶好のタイミングです。Computer Futuresでは、ご要望に合わせて転職先のご紹介やキャリアパスについてのアドバイスなど、皆様の転職活動のサポートをいたします。IT業界全般における採用動向について詳しく聞きたいという方も、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせくださいませ。

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