
Web、バックエンド、スマートフォンの開発など、最近ではほとんどの分野で新しいプログラミング言語が登場しています。ただ、どの言語をマスターすべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?そこで本記事では、2022年におすすめの習得するべきプログラミング言語を8つ厳選し、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
記事の最後には「ITエキスパートとしてプログラミング言語はいくつ学んでおくべきか?」「履歴書に習得したプログラミング言語をリストアップする際の注意点は?」など皆様からよく寄せられる質問にもお答えしているので、気になる方は是非目を通してみてください。
一目でわかる、最も重要なプログラミング言語
今回ご紹介するプログラミング言語のリストはTiobe Indexに基づいたものです。このインデックスはGoogle、Bing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon、YouTube、Baiduなどのソーシャルコミュニティやウェブサイトをもとに、TIOBE Programming Communityによって毎月更新されています。これから初めてプログラミング言語を学ぶプログラミング初心者の方、新しいプログラミング言語を習得してキャリアアップを目指したいというITエキスパートの方のどちらも、自分に合ったプログラミング言語を見つける際の参考にしてみてください。
1. C・C++
C言語は1972年誕生という長い歴史を持つ、手続き型の汎用プログラミング言語です。適用範囲は広く、サーバーアプリケーション、PC、組み込み用のマイコンなどでも利用されています。高水準言語としての制御構文を持ちながら、ハードウェア寄りの低水準言語の記述も可能なことが特徴です。長い歴史を持つことから、多くの知識や事例となるコードが蓄積されており、デバッグなどの開発環境も充実しています。現在でもプログラムの動作環境のリソースが限られる場合、実行速度を求められる場合などでは選択対象となるプログラミング言語です。
C言語にオブジェクト指向等のサポートを追加した汎用プログラミング言語がC++です。C言語と近い構文を持ち、手続き型、抽象化、オブジェクト指向、ジェネリックプログラミングなどのプログラミングスタイルをサポートしています。C言語のようにハードウェア寄りの記述も可能で、幅広いプログラミングスタイルのサポートとの組み合わせにより実現できる機能、適用箇所は多岐に渡ります。一方で記述は難解で難易度の高いプログラミング言語でもあります。
メリット
- 複雑なハードウェア関連のアプリケーションに適している
- 多くの標準ライブラリやテンプレートが用意されている
デメリット
- 開発にかかる時間と労力が比較的多い
2. Java
Javaはサン・マイクロシステムズ社によってリリースされ、現在はOracle社が版権を持つ汎用プログラミング言語およびその稼働プラットフォームです。C++言語と記述は似ていますが、構文はより平易なものとなっています。オブジェクト指向言語、手続き型言語のいずれとしても利用可能です。
Javaは、環境を整えればプラットフォームに依存せずに稼働させることができる「write once, run anywhere」という考え方に基づいて作られています。クライアント/サーバー型のWebアプリケーションに多く用いられており、高い信頼性とセキュリティ性から業務システムの構築でよく利用されるプログラミング言語の一つです。Oracle社によれば、世界中で100万人単位の開発者がおり、510億以上のJavaアプリケーションが稼働しているといいます。
また、JavaではAndroid OS上のアプリケーション作成、デスクトップアプリケーションの作成なども可能です。様々なWebフレームワークや統合開発環境eclipseなど、開発環境が充実していることも、その普及に一役買っています。
メリット
- Java仮想マシンが存在する環境であればどのコンピュータでも実行でき、実行環境を選ばな
- オブジェクト指向で、モデル化したプログラムの作成やセキュリティコントロールも容易
デメリット
- セキュリティの面で一部脆弱性が見られる
- アップル社のスマートフォンでは実行できず、動作がやや遅い
3. Python
Pythonは近年注目を集めているプログラミング言語という印象がありますが、実は意外と長い歴史を持つ汎用プログラミング言語です。AI、機械学習、データマイニング、ビッグデータなどのデータサイエンス領域と親和性が高いことから、近年人気が上昇しています。Pythonの言語自体は簡潔な記述ですっきりとコーディングできることが特徴です。
データサイエンス領域との親和性の高さは、該当領域のライブラリが充実していることが理由です。よく知られているPythonの応用例の一つとして「Rasperry Pi」が挙げられます。さらに多くの科学ライブラリでもPythonを利用して作成されています。またデータサイエンス領域は人気分野であり、なおかつ新興の分野であるため人手が足りておらず、高収入につながりやすいプログラミング言語ともいえます。
メリット
- 習得が容易である
- 構文が読みやすく明確である
- 必要なコード数が少ない
デメリット
- 実行速度が比較的遅く、特定のアプリケーションには条件付きでしか対応できない
- 型安全性がほとんどないため、プログラミング・エラーを特定するのが難しい場合がある
4. C#
Microsoft社によって作られた、オブジェクト指向に対応した汎用プログラミング言語です。Java、C++、VCなどがベースになって作られたといわれています。Windowsアプリケーション、Webアプリケーション、スマホアプリ開発、Unityを利用したゲーム開発など幅広く活用が可能です。統合開発環境IDEとしてVisual Studioが利用可能なことも、C#が利用しやすく人気のあるプログラミング言語である理由の一つとなっています。Windows APIも利用可能なため、Windowsアプリケーション作成では第一候補となる言語です。
メリット
- 複雑なアプリケーションのプログラミングが可能
- Windows用システムとの互換性が高い
デメリット
- Windows以外のプラットフォームとの互換性が比較的低い
- 開発にはライセンスのあるWindows製品が不可欠
5. Visual Basic (VB)
Visual Basic (VB) は、BASICという文字通りシンプルな、しかし今では老朽化している言語を、より便利で面白いものにするため1991年にMicrosoft社が開発した言語です。今現在主力言語の一つとして使われているVisual Basic.NETは機能が強化されたもので、現在VBというとVisual Basic.NETのことを指します。Visual Studioと呼ばれるビジュアルな開発環境により、Windowsアプリケーションの開発が容易になりました。
メリット
- 全体的なパフォーマンスが高い
- ソースコードが読みやすく、トレーサビリティが高い
- 小規模なアプリケーションにもすぐに使用できる
デメリット
- 複雑なアプリケーションには向かない
6. JavaScript
主にWebサイトのフロントエンド(クライアントサイド)を構築するのに利用されるプログラミング言語です。動的HTMLページ(リッチクライアント)の構築には欠かせません。HTMLに組み込まれて動作するため、JavaScriptの記述にはHTMLおよびCSSの知識も必要となります。
さらにはサーバーサイドのプログラミング言語としてPHP、Java、Ruby、Python、C#などと組み合わせて利用されることも多いです。多数のフレームワークが提供されており、現在ではサーバーサイドで動かすためのフレームワークも存在しています。なお、JavaScriptという名称ではありますが、構文等が似ているだけでJavaとは関係がありません。
メリット
- 習得が容易である
- フレームワークが豊富
- フロントエンド・サーバーサイド両方で開発可能である
デメリット
- ブラウザの種類により動作が変わることがある
- 処理に時間がかかることがある
7. PHP
PHPは主にWebサイトやイントラネットのページをプログラミングするための言語で、ブラウザでウェブサイトを出力したりバックエンドを制御するなどのWeb開発において広く使用されています。CSS、JavaScript、HTMLなどに記述したファイルに埋め込んで使うことで、プログラムのどの要素をWEB上で表示するかを決定することができ、動的なWebページの作成などのカスタマイズの幅が広がります。例えば、世界中で普及するCMSであるWordPressはPHPで作られており、PHPを利用してカスタマイズすることが可能です。
メリット
- オープンソースである
- すべての一般的なサーバーでサポートされている
デメリット
- サーバーの負荷を増大させる場合がある
- Web ページの読み込み速度を低下させる可能性がある
8. R
データ解析に特化したプログラミング言語です。汎用性はありませんが統計解析(データサイエンス)やそのアウトプットのレポートの作成に優れています。オープンソースで開発されていることも特徴の一つです。近年、AIや機械学習、ビッグデータといったキーワードとともに人気が上昇しているプログラミング言語です
メリット
- 無料で使用可能
- 他のプログラミング言語と比べて多くの評価手順を提供している
デメリット
- (特に初心者の方は)、機能や操作に慣れるまでに時間がかかる
応募書類におけるプログラミングスキル
採用企業が選考時に重視する項目は、応募者の選考書類に記載されているプログラミング言語のスキルが、今後会社にとってどのように役立つかです。これが書類に目を通しただけでわかるように明記されていると、書類選考の段階で他の候補者に差をつけることができます。そのため、応募書類を書く際には以下の点に注意しましょう。
- 求人広告で募集している仕事に最も関連性のあるプログラミング言語をリストアップする。
- 上から順に自分にとって重要度の高いスキルを記載する。
- 自分のスキルを格付けして評価する。(基本・良い・非常に良いを軸としたグラデーションやグラフ表示)。
- 各プログラミング言語の知識は、あなたがこれまでにプログラミングした例や製品で裏付けする(募集内容によっては、第三者の権利を侵害しない範囲で自分がプログラミングしたコードの一部を参考資料として掲載することも可能です)。
ITエキスパートとして、いくつのプログラミング言語を知っているべきか?
開発者やプログラマーとして応募する場合、何種類のプログラミング言語を習得しているかは重要ではありません。むしろ重要なのは指定された言語に実際に習熟していることです。採用企業から見ても、操れる言語の数よりも、応募者のプロフィールが募集職種に合っていることの方をはるかに重視します。例えば、C#のエキスパートであっても、企業が求めるのがデータベースに接続するウェブアプリケーションの開発者を求めているのであればミスマッチであり、選考を通過できる可能性は低いと言えるでしょう。
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今回はおすすめのプログラミング言語やその特徴とメリット・デメリットなどをご紹介しました。プログラミングを始めてみたいけれどどの言語を選べばよいか迷っている方、新しいプログラミング言語を習得して転職やキャリアアップをお考えの方にとって、この記事が少しでも役に立てれば幸いです。
プログラミング言語を学ぶ理由は個人によって様々で、このことから多様なプログラミング言語の知識や経験を持った開発者の需要も非常に高くなってきています。Computer Futuresのコンサルタントは様々なプログラミング言語が必要とされるポジションに候補者の方をご紹介してきた実績を持ち、可能な限り最善の方法でプログラミングのスキルを活かしたキャリア形成をお考えの皆様をサポートいたします。情報交換や実践的なアドバイスをご希望の方は、お気軽に以下のフォームからお問合せくださいませ。最新の求人は以下のボタンからご覧いただけます。