
DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速によって、CRM(顧客関係管理)システムの導入や保守、運用が企業のビジネス戦略の大きな部分を担うようになってきています。数あるCRMの中でも市場シェアNo.1を誇るのが、セールスフォースドットコム社が提供するSalesforceプラットフォームです。
Computer Futuresはグローバルでセールスフォースドットコム社の公認コンサルティングパートナーとして、深い市場知識を活かしてSalesforceエコシステム内の採用と転職支援をご提供しています。現在Salesforce人材に対する採用ニーズが高まっており、企業様からSalesforceプラットフォームでのスキルや経験を持つ人材の獲得に苦戦しているというお話を伺うことが増えてきました。今回は「Salesforce人材の採用に成功・失敗している企業の特徴とは?」をテーマに、当社のコンサルタントである淵健太郎と近藤さやが以下の点についてお話しさせていただきました。
- Salesforceのマーケット情報
- Salesforceスキルを持った候補者の志向性
- 採用に成功している企業の特徴
- Salesforce関連職種の年収相場
- 当社からのご提案
ウェビナーの録画はこちらでご覧いただけます。
以下ではウェビナーの概要をまとめております。
Salesforceのマーケット情報
現在日本ではSalesforceを導入する企業が増えており、Salesforceマーケットは世界でもトップレベルの成長を見せています。セールスフォースドットコム社は日本国内だけで2026年までに44万の新しいSalesforce関連の仕事が生まれるとの予測を立てており、今後さらなる成長やニーズの高まりが期待されます。
採用・転職動向という観点では、Salesforce人材の募集や採用を行っている企業として以下が挙げられます。
- コンサルティングファーム(導入や運用支援。要件定義などの上流工程から担うことが多い)
- Sler(導入や運用支援)
- 事業会社(Salesforceを自社のCRMとして使っている会社)
また、実際に募集の多いSalesforce関連ポジションとしては、
- Salesforce管理者(Salesforceアドミン)
- Salesforce開発者(Salesforceデべロッパー)
- Salesforceコンサルタント
- プロジェクトマネージャー
- カスタマーサクセス
などが挙げられます。
最近特に募集の増加が目立つポジションはカスタマーサクセスです。職務に必要とされる要件がSalesforce管理者(Salesforceアドミン)と近く、Salesforce管理者の方のキャリアチェンジ先としてご紹介することも増えています。
Salesforce管理者(Salesforceアドミン)とSalesforce開発者(Salesforceデべロッパー)の違いとしては、管理者が基本的にノーコードもしくはローコードで可能な標準機能の設定や分析が主な職務となる一方で、開発者はApexやVisualforceを使った開発が職務となり、その分野での開発経験が求められるケースが多く見られます。
Salesforceスキルを持った候補者の志向性
Salesforceスキルを持った候補者の志向性として最近よく見られる傾向として、主に以下の2つが挙げられます。
- 職種や企業の属性チェンジを希望される方が多い
Salesforce開発者(デベロッパー)の場合、開発をずっと続けていきたいという方々はSIerや事業会社でのSalesforce開発者やエンジニアとしてのキャリアを選ぶことが多い一方で、より上流の工程に関わっていきたいという方々はコンサルティングファームでのキャリアを選ぶ傾向が見られます。
管理者(アドミン)の方も開発者やコンサルタントへの転向を希望する方が多い一方で、開発者の求人は開発経験が必須要件になっていることが多く、コーディングによる開発経験のない管理者の方は応募が難しいケースが多々あります。
しかし、Salesforceに非常に詳しく、高いポテンシャルを秘めているSalesforce管理者の方も多いため、開発経験がないというだけでNGとしてしまうのはもったいないと感じることも多いと淵と近藤は話します。会社のフェーズや社内リソース次第ではありますが、社内でのサポートや教育を通じて、必ずしも開発経験がなくても、Salesforce管理者としてのバックグラウンドを活かすことのできるようなキャリアパスを用意できている企業は応募数も多く、有効的にSalesforce人材を獲得できている様子が見られます。
- スペシャリスト枠を希望される方が増加傾向
現在はマネージャーとしてチームのマネジメントをしつつ開発をしているという方々が、マネジメントではなくより開発に集中したいという理由で転職を検討されるケースも最近見られます。その際にネックとなるのが、現在すでにマネージャー職なので年収帯としては比較的高く、転職によって年収を落としたくないという点です。そのため、開発に集中できると同時に比較的高い水準の年収を保つことができるようなスペシャリスト職(具体的なポジション名としてはテックリードなど)を設けている企業は応募者が多く、高い人気となっています。
採用に成功している企業の特徴
数多くの企業様のSalesforce人材獲得のご支援をしてきた淵と近藤は、採用がうまくいっている会社の特徴として以下を挙げています。
- 職務要件が細分化されている
裏を返すと、求人票が明確でない企業は人材獲得に苦労している様子が見られます。具体的には、管理者と開発者が一緒になったような求人票や、開発者とコンサルタントとが一緒になったような求人票だと、応募する側としても今後のキャリアプランが見えづらかったり、開発に集中したいのに他の業務を兼任しないといけなさそうで応募をためらったりなど、応募が集まりづらい傾向にあります。
一方で、例えば開発者とコンサルタントの両方の職務が必要な場合は、思い切って職務を分けて別ポジションとして募集をかけている企業は多くの応募を集めており、採用活動全体としても成功している様子が見られます。
- 社内でのキャリアパスの明確化
上述の明確な求人案件とも関連しますが、具体的にどのような職務やプロジェクトに携わることができるのか、どの製品の知識を身に着けられるのかなどを応募の段階できちんと伝えることができると、候補者としても職務や今後のキャリアパスのイメージが湧きやすく、応募につながりやすい傾向があります。
また、開発者やコンサルタントの求人の多くで開発経験が必須とされていますが、実際の開発経験を持つ人は市場にはまだまだ少ないのが現状です。そのため、募集をかける際にそのポジションで本当に開発経験が必須なのか、社内で教育やOJTを通じてスキル開発をしていく余地があるのかどうかを見極めてから求人票を用意することも有効的な手段です。社内で資格の取得支援制度などがある場合は、必ず発信していくことをおすすめします。オファーを出すだけではなく選んでもらわないといけない
- スピード感を持った選考
Salesforce領域での採用に限らず、採用におけるスピード感は候補者にとってこれまで以上に重要な要素となってきています。最近当社がご転職を支援した例では書類選考から内定までがたったの4日だったという例もあり、テンポよくプロセスが進むと、候補者にも自分のことをきちんと考えてくれているという印象をしっかりと与えることができます。
また、採用プロセスに長い時間がかかる場合、意思決定が遅い企業なのではないかという印象を与えてしまうと同時に、候補者の熱やモチベーションも下がっていってしまう傾向が見られます。当社のようなエージェントを通じての採用の場合、他企業の選考プロセスの進捗状況を把握し、足並みをそろえるなどの調整もしやすいため、お気軽にご相談いただければと思います。
給与相場
転職による年収アップの相場は約10%と言われていますが、Salesforceスキルをお持ちの方はまだ市場に少なく、ご自身の市場価値を把握していらっしゃる方だとそれ以上を望む方も少なくはありません。具体的な給与相場は詳しくは録画内でご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
当社からのご提案
Salesforce領域での採用を成功させるために当社からご提案できることは以下の通りです。
- ソーシャルメディア等を利用した自社のブランディングを行う
応募が集まって内定を出した場合でも、実際に内定を受諾してもらい、入社してもらう必要があります。複数の会社から内定が出ており、条件面で大きな違いがない場合、候補者にとっては「誰と働くのか」が最終的な決め手となります。Salesforceは特にコミュニティが発達した領域であり、コミュニティ活動やソーシャルメディアを通じて自社のカルチャーや教育制度、資格取得支援制度、キャリアパスの可能性などを発信していくことで、将来の候補者に良い印象を与えることができます。
- 自社を知ってもらうためのアウトプット
上述のように、まずは候補者に知ってもらうことが採用の成功への第一歩です。アウトプットの方法はさまざまであり、上述のようなブランディングや、社員による座談会を開催して実際の職務や会社の様子を積極的に発信している企業様もいらっしゃいます。また、口頭で当社にご共有いただければ、当社のコンサルタントが皆様の企業の魅力を候補者にお伝えすることも可能です。
採用に関する一般的なご相談はもちろんのこと、採用の優先度が高い求人の場合はリテーナー契約などを通じて注力させていただくと同時に、週ごとのアップデートなど様々な方法でご対応させていただきます。
Computer Futuresにご相談ください
今後も採用企業様、候補者様に向けたウェビナーや情報発信を定期的に開催していく予定です。主に候補者様に向けて最新の求人や市場動向をまとめたニュースレターの配信もしておりますので、ご希望の方は以下からご登録くださいませ。ご登録時には、当社の洞察をまとめた「Salesforceスキルを活かした転職ガイド」をお送りしております。